パワコンの容量よりも多くのパネルをつなぎ発電量を増やす「過積載」。
英語ではPanel Oversizingといいます。
まぁそのままですよね。
ここで問題になってくるのがオーバーサイジングのしやすさ、しにくさ。
実はパワコンによってどこまで過積載がしやすいのかが違ってくるのです。
簡単なパワコンの能力の測り方 入力数 × 最大電圧
計算方方法はとても単純です。
重要な指標は2つです。
1つはパワコンのデータシートに書いてある「入力数（回路数）」。
もう一つは「最大入力電圧」。この2つが基本的な指標です。
最強PCS オムロン三相パワコンの場合
・入力数 7入力
・最大電圧 600V
過積載指数 4,200
比較対象 田淵電機三相パワコンの場合
・入力数 5回路
・最大電圧 570V
過積載指数 2,850
この指数の比率が「過積載のしやすさ」だと思ってください。
過積載指数と言うのは僕が勝手に作った言葉です。
ではここから本当に組み立ててみましょう。
最強PCS オムロン三相パワコンの場合
ジンコソーラー 320Wのパネルの解放電圧は41.1Vです。
太陽光パネルは温度が下がると抵抗が下がるので電圧が上がる特性があります。
25度が標準ですので仮に30度下がったー5度までを考えると約1割電圧が上昇する可能性があります。
ですのでここでは41.1V × 1.1（温度低下分） ＝ 45.21Vで評価します。
600Vまではいるわけですからマックスのストリング直列数は13.2直列。
パネル0.2枚は不可能ですので13直列がマックスです。
これが7入力回路ありますから91枚。
1つのパワコンに29.12kW入る計算です。
ほんとかよ！って思いますよね。
実際は入りません。
なぜか。
それはオムロンのKPVには合計で63A以下という縛りがあるからです。
この縛りをクリアするためには1入力を諦めざるを得ません。
そうすると6入力で78枚。24.96kW。
これがマックスです。
250％近く入ってしまいます。
しかしここまでやるとピークカットがひどいのであまりお勧めはしません。
比較対象田淵電機 三相パワコンの場合
同じように計算すると12直列で542V。
ここまで入ればたいしたもんだと思います。
これが5回路。
そうすると60枚入ります。
5台合計300枚。
96kWの発電所の完成です。
田淵電機も十分過積載してますよね。
以前は80kW以下くらいしか入りませんでしたがパネルの性能向上でここまではいるようになりました。
【落とし穴】個別のパワコンメーカーの事情を知る必要がある
実はこれだけでは足りません。
メーカーが個別に「過積載は200％まで」とか制限をかけている可能性があるからです。
例えばSMAは最近担って180％までという制限をかけてきました。
ソーラーエッジは200％までという制限をかけています。
上で紹介したオムロンパワコンは「ソーラーフロンティアはこんなに入れたらダメよ」という制限がかかっています。
ですのでソーラーフロンティアで過積載をする場合はオムロンPCSのOEMの元となっている新電元で実装していきます。
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SUN33さん
コメントありがとうございます。
そこはおっしゃる通りで全くその通りです。
パワコンは稼動すればするほど故障確率は増えるはずです。
なんですが、稼働率があがる・稼動時間が増えるということはそれだけ売電収入も上がるということになります。
あとは利益の中かからパワコンの交換費用を出していくというお話になるはずです。
ちなみに新潟では100kWのパネルで稼動させても85kW程度しか発電しません。
環境が圧倒的に違うので一概に言えないという前提はありながら、沖縄の130％と言うのは新潟では160％程度になるのではないかなと想像しています。
よろしかったらこれからもどんどんコメントください。
とても参考になりますし、考え方が広がります。
ありがとうございます。
私のメールアドレスが見えましたら、そちらのアドレス教えて下さい。こちらの写真やデータ等お送りします。
環境が違うのでコメントもすれ違いが発生するのではと心配です。
パワコンと言わず、一般論としてマシーン(機械)と言うものは、80%程度で稼働させた方が、故障率も低下するものと思います。２０年間、何事もなく発電してくれる事を祈っています。その分、収入が少なくなっても良しとしています。
私の施設(P社)の保険条件は、１２０%まででした。