気候ネットワーク メルマガ「Hot Talk Now!?(ほっとくの)温暖化」195号(2017年10月2日発行)

(カテゴリ: 気候変動と太陽光発電)

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■■  ■ ■■  ■ ■  「Hot Talk Now!?(ほっとくの)温暖化」
■ ■ ■ ■ ■ ■■■  第195号(2017年10月2日発行)
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「市民のチカラで、気候変動を止める。」
気候ネットワークより月2回
地球温暖化問題を巡る最新情報をお届けします。
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■ 政府・国会・NGOの動向
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●長期低炭素ビジョン小委員会第18回の開催
19日、環境省の中央環境審議会長期低炭素ビジョン小委員会において有識者のヒアリングが行われた。東京電力パワーグリッドの岡本浩副社長は、自由化・分散化・脱炭素化・デジタル化を契機に、超長期にわたるエネルギーシフトが進むという見解を示し、CO2排出量の大幅削減には、需要側の電化によるエネルギー効率向上と、供給側の脱炭素化の同時達成が必要であるとした。また、京都大学大学院の安田陽特任教授は、世界で再エネが促進される事由を、健康被害の抑制や自然保護等の費用便益比が大きいことと、外部コストが一番低い電源であるとし、日本では定量的議論が少ないと指摘。また日本で系統連系問題が顕在化する事由として、原因者負担の原則に起因してVRE(変動性再生可能エネルギー)事業者等への不適切なコスト転嫁が行われていることを指摘した。
<http://www.env.go.jp/press/104536.html#shiryo>

●再生可能エネルギーの接続可能量の算定スタート
27日、総合資源エネルギー調査会系統ワーキンググループ(第11回)が開催され、再エネの接続可能量(2017年度算定値)の検討が開始された。算定方法は従来の考え方を踏襲して行われる。事務局より、系統制約に関する地域毎の課題への対応や、北海道、東北、北陸、九州電力4社の現状や取組みについての説明がなされた。九州電力では太陽光を中心に再エネの大量連系が続いており、今年度中にも出力制御を実施する可能性があること、東北電力の電源接続案件募集では募集した280万kWを大きく上回る1,545万kWの応募があったこと等が明らかになった。次回引き続き各社からのヒアリングを行い、年内には接続可能量を確定する。
<http://www.meti.go.jp/committee/sougouenergy/shoene_shinene/shin_ene/keitou_wg/011_haifu.html>

●2018年度以降のFIT買取価格の算定に着手
28日、調達価格等算定委員会(第30回)が開催され、2018年度以降のFIT調達価格算定に向けての検討が開始された。事務局より再エネの日本の状況や国際的な再エネ価格等の動向の説明がなされた後、今年度の委員会の電源ごとの主な論点と、調達価格のイメージが示された。2019年までに風力発電は19円/kW、太陽光(10kW未満)は24円/kWにする案となっている。また、認定が急増している一般木材等のバイオマスを取り上げ、7割が燃料費となるためその自立可能性、燃料安定供給の持続可能性、国際水準と比較して高い買取価格のほか、既存の石炭火力を改修しバイオマス専焼にするケースが課題として指摘された。
<http://www.meti.go.jp/committee/chotatsu_kakaku/030_haifu.html>

●カーボンプライシング検討会第4回検討会
28日、カーボンプライシングのあり方に関する検討会第4回が開催された。この会合では、これまでの議論が整理され、いくつかの論点が加えられた上で、「我が国において気候変動問題と経済・社会的課題の同時解決に資するカーボンプライシングのあり方として、どのような姿が考えられるか」をテーマにディスカッションが行われた。委員からは税の徴収方法や税収の用途、価格アプローチと数量アプローチの長短について様々な意見が出されており、ポリシー・ミックスが妥当だとの考えが多数意見としてあがった。
<http://www.env.go.jp/earth/ondanka/cp/arikata/conf04.html>

●エネルギー情勢懇談会で英米研究者にヒアリング実施
29日、エネルギー情勢懇談会(第2回)が開催され、地政学的リスクのトレンド等についてと題して、英国王立国際問題研究所のポール・スティーブンス特別上席フェローと米国戦略国際問題研究所のアダム・シミンスキー エネルギー地政学議長へのヒアリングが行われた。スティーブンス氏は、エネルギー長期予測の難しさに触れつつ、急速に起きているエネルギー転換へ十分な注意が払われていないこと、将来の石油需要が誇張されていること、中東は石油供給に重大な影響を与えるが、特にサウジアラビアの見通しが非常に不透明であること等を紹介した。シミンスキー氏も将来の石油需要は不透明であるとし、エネルギー展望を変える鍵として、電気自動車、風力・太陽光発電のコスト削減、シェールオイル技術の更なる革新、炭素税やCCS等を取り上げた。
<http://www.enecho.meti.go.jp/committee/studygroup/ene_situation/002/>

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■ 国際動向
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●RE100に参加するグローバル企業、111に
ニューヨークで開催されていたクライメート・ウィークにて、新たに9のグローバル企業が、再生可能エネルギー100%をめざす「RE100」に参加した。RE100の参加企業数は合計111に達した。今回新たに参加を決めたJPモルガンやシティ・グループは、2020年までに再生可能エネルギー100%の実現をめざすとしている。他にも、エスティ・ローダーやケロッグなどが今回新たに参加。
日本からは、事務機器・光学機器メーカーのリコーが唯一RE100に参加している。
<http://there100.org/news/14262895>

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■ 科学動向
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●危険な気候変動を防ぐにはあまり時間がない─米科学誌が警告
15日、20分の1の確率で世界の平均気温が産業革命前に比べて5℃以上上昇する可能性があるとする研究が、米科学誌「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」に発表された。このような気温上昇を経験した場合、世界人口の多くが熱ストレスを患い、25億人程度が気温上昇によるウイルスに感染し、全ての生物種の約20%が絶滅するかもしれないと指摘する。また、追加的な対策を講じないなりゆきケース(BAU)でも、産業革命前に比べて世界の平均気温が4℃上昇する可能性が50%もある。これらの事態を回避するには、2050年までにカーボンニュートラルを達成するだけなく、代替フロンなどの削減にも迅速に進め、温暖化対策を早急に講じる必要があると指摘した。
<https://www.scientificamerican.com/article/the-window-is-closing-to-avoid-dangerous-global-warming/>

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■ 地域動向
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●仙台市民、仙台パワーステーションの操業停止を求めて提訴
27日、宮城県仙台市の住民を主とする124名が原告となり、新しい石炭火力発電所である仙台パワーステーション(親会社:関電エネルギーソリューション、伊藤忠エネクス)の操業差止めを求めて提訴した。同発電所から排出される大気汚染物質による健康被害の恐れ、蒲生干潟の生態系への悪影響の恐れ、そして気候変動の悪影響による原告の権利侵害の恐れという3点を、差止めを求める理由としている。国内に現在41基ある石炭火力発電所の新増設計画の中で、操業差止めを求める裁判が行われるのは初めて。今回の提訴は、今後に提起される石炭火力差止め裁判や公害調停のモデルとなる公算が大きいとの声も出ている。
<https://sendaisekitan.wordpress.com/2017/10/02/started_a_lawsuit_against_sendaips/>

一方、仙台パワーステーションは、訴訟が提起されている中、2日に操業運転開始を強行し、市民から強い批判を集めている。同日、気候ネットワークを含む24の市民団体が仙台パワーステーションへ抗議する声明を発表した。
<http://www.kikonet.org/info/press-release/2017-10-2/sendaips_commercial_operation_start_proteststatement>

●神戸製鋼の石炭火力発電所新設計画に住民らが公害調停を申し立て29日、公害患者の会や市民団体らが中心となって組織された「神戸の石炭火力発電を考える会」は、神戸製鋼が計画する神戸市灘区の石炭火力発電所建設計画をめぐって、公害調停を申し立てると表明、地元住民らを対象に説明会を
スタートさせた。同会は、神戸製鋼が進める合計130万kWの石炭火力発電所の計画に対し、売電先の関西電力も含め、公害紛争処理法に基づく公害調停を兵庫県公害審査会に申し立てる。計画による大気汚染物質排出による健康影響、地球温暖化への影響、温排水による水環境への悪影響などを中心に、計画そのものの見直しや環境アセスメントのやり直しを求める方向。
同日、灘区にて開かれた学習会では、参加した周辺住民から「このような影響があるとは知らなかった」「(温暖化対策を関西電力へ一任する神鋼の姿勢に)あまりにもひどい計画だ」という声が相次ぐなど、計画に対する不安や怒りの声が聞かれた。同会は、今後、公害調停の申し立てに参加する住民をウェブサイトを通じて募る予定。

神戸の石炭火力発電を考える会ウェブサイト
<https://kobesekitan.jimdo.com/>

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◆◇◆気候ネットワーク活動報告◆◇◆(2017.9.16 ~10.2
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気候ネットワークの活動を報告します。
・【抗議声明】「仙台パワーステーション石炭火力発電所の営業運転開始への抗議」を発表しました(10/2)
・【解説書】「準備書から読み解く 神戸製鋼石炭火力発電所計画の問題点」を発表しました(10/2)
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[気候ネットワーク・ブログ更新情報](2017.9.16 ~10.2
<http://www.kikonet.org/kiko-blog/>
・「Don’t Go Back To The 石炭!」サイト更新情報](2017.9.16 ~10.2
<http://sekitan.jp/>
・自然エネルギー財団 報告書「日本における石炭火力新増設のビジネスリスク─設備利用率低下による事業性への影響─」を発表(9/21)
・『石炭火力発電所ウォッチ』サイト更新(10/2)
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■イベント案内■
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<気候ネットワーク開催>

【京都】
■全国シンポジウム「市民が進める温暖化防止2017」─パリ協定実施のための持続可能なエネルギー・市民のちから─
日程:12月9日(土)10:30~17:30(予定)
会場:龍谷大学 深草キャンパス(京都市伏見区) 22号館-301教室
内容:今回のシンポジウムでは、パリ協定が求める1.5℃目標に関する科学・
国際交渉の最新動向を共有し、アジアにおけるエネルギー政策の動向、再エネ100%実現にむけた課題と展望などを学び、脱炭素社会実現ためのステップについて考えます。
参加費:会員・学生無料、一般500円
*当日入会いただければ会員価格(無料)で参加いただけます。
主催:気候ネットワーク
共催:龍谷大学地域公共人材・政策開発リサーチセンター(LORC)
問合せ:気候ネットワーク 京都事務所
TEL:075-254-1011 FAX:075-254-1012
MAIL:<kyoto@kikonet.org>
申込方法:<https://goo.gl/TSBE76>
詳細:<http://www.kikonet.org/event/2017-12-09>

<他団体主催>

【東京】
■首都圏市民電力交流会
日程:10月21日(土)13:00~17:00
会場:ユギムラ牧場、八王子協同エネルギー第1発電所(東京都八王子市)
参加費:1000円
問合せ:市民電力連絡会 FAX:03-6380-5244 Email: <ppn2014@gmail.com>

【東京】
■第3回 全国小水力発電大会 in 東京
日程:11月1日(水)、2日(木)
会場:東京都立産業文化センター台東館
主催:全国小水力利用推進協議会
詳細:<http://j-water.org/taikai/>

【福島】
■第9回 市民・地域共同発電所全国フォーラム in 福島
日程:11月2日(木)、3日(金・祝)、4日(土)
会場:コラッセふくしま(福島駅西口より徒歩3分)
参加費:資料代3000円程度(予定)※福島市内在住者は無料
エクスカーションの参加費・バス代別途3000円
主催:市民・地域共同発電所全国フォーラム実行委員会
問合せ:市民・地域共同発電所全国フォーラムin福島 実行委員会
事務局 福島県農民連 担当;佐々木、横山
TEL:024-546-7229 Email: <stake@vmail.plala.or.jp>
申込方法:<https://goo.gl/BaeNHp>
詳細:<http://www.kikonet.org/event/2017-11-02/>

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◆気候ネットワークは、地球温暖化問題に取り組む環境NGOです。
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<私たちはめざします>
○人類の生存を脅かす気候変動を防ぎ、持続可能な地球社会を実現すること
・世界の温室効果ガスを大幅に減らす国際的なしくみをつくる
・日本での持続可能な低炭素社会・経済に向けたしくみをつくる
・化石燃料や原子力に依存しないエネルギーシステムに変える
・市民のネットワークと協働による低炭素地域づくりを進める
・情報公開と市民参加による気候政策決定プロセスをつくる

活動は皆様のご支援に支えられています。ご入会・ご寄付等のご支援をどうぞよろしくお願いいたします。ご入会手続きは、ホームページからもできます。
<個人・団体 年会費:一口5,000円、学生会員:2,000円>
URL<http://www.kikonet.org/shien/admission.html>

【毎日のクリックで、気候ネットワークを支援することができます】
気軽にできる社会貢献を提案するサイト「gooddo」 に設けられている気候ネットワークのページにアクセスしていただき、【応援する】をクリックすることで、ポイントに応じた支援金が気候ネットワークに届きます

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(クリックする方に支援金の負担が発生することはありません)
URL<http://gooddo.jp/gd/group/kikonet/>
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