パナソニックのHIT

昨日、HITに話題が出たので、少しHITについてつぶやいてみようと思います。以前にもこのブログに書いたかもしれませんが、そこは大目に見てお付き合いいただければ幸いです。

 

HITというのはHetero Intrinsic Thin layerの略で、太陽電池の構造を示しています。説明図がないかなと思ってwebを探すと、パナソニックが日経のセミナーで使った資料がアップされていましたので、引用します。

HIT図

太陽電池はp型半導体とn型半導体を重ねたpn接合と言われる構造の性質を利用したものですが、この接合に少しロスがあって、なかなか変換効率が上がりませんでした。しかしサンヨー(当時)がこの接合面にアモルファスシリコンを用いることでロスをかなり改善できることを発見し、その構造の太陽電池を開発してHITと名付けました。

 

Heteroは異質という意味で、結晶に対しアモルファスが異質であることを示しています。

Intrinsicは中性で、pでもnでもない中性のアモルファス膜を使っていることを示しています。

Thin-layerはこの中性アモルファス膜が薄膜であることを示しています。

 

上の図では少し判りにくいですが、図でアモルファスシリコン層と示されているところはi層とp層、あるいはi層とn層からなっています。つまり薄いi層が使われているということになります。

 

当初はこのHIT膜は光が入ってくる表面にだけ使われていましたが、今では上図のように両面に使われるようになっているみたいです。

 

これを発見したサンヨーはかつてアモルファス太陽電池で世界をリードする立場にいましたが、アモルファス太陽電池は光劣化が解決できず、その後結晶型太陽電池に乗り換えたので、逆に太陽電池の世界で出遅れた感がありました。そのような中でHITを発明し、逆転したことは見事だったと思います。

 

HIT出てきたのはもう20年以上前なので、もう基本特許は切れているのでしょう、最近は欧米の会社から同様な効果を狙った太陽電池が出てきているようです。これに対抗してパナソニックは上図のような両面HIT構造やいろいろな新しい技術開発を重ねています。

 

技術的には確実に他社より優れているHIT太陽電池ですが、構造的にどうしてもコストアップになると思います。他社との技術競争や中国の廉価路線に対抗していけるのか、パナソニックにはまだまだ頑張って欲しいところです。

 

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