ペロブスカイト太陽電池の開発状況

ペロブスカイト太陽電池についてのニュースが最近2件ありました。

 

一件目はフィルム型のもので、ペロブスカイト太陽電池を発見した宮坂教授のグループの成果です(フィルム型ペロブスカイト太陽電池、エネ変換効率18%達成)。

ペロブス18

この記事にも書かれていますが、ペロブスカイト太陽電池全体でみると変換効率の最高は22%を超えています。しかし、それは高温(400度以上)で作られるため、温度に弱いフィルムの上には作ることはできません。今回の18%というのはフィルム型太陽電池の中で世界最高と言うことです。

 

フィルム型太陽電池の特長と言うと、軽いことと曲げられることが挙げられます。ただ、発電所で使うような太陽電池にこのような特長は不要なので、フィルム型太陽電池の市場はかなり限定されることになるでしょう。この記事でもウエアラブルや医療用途など特殊な用途が挙げられています。逆に特殊な用途には少々高くても売れるでしょうから、それなりの市場は確保できると思います。まぁ、今のところ、1000回の繰り返し曲げ試験で効率が83%に落ちるなど安定性が悪く、実用化にはまだ課題があるようですが。

 

2件目は東大の成果で、安い材料だけで高効率を達成したもの(東大、ペロブスカイト太陽電池で変換効率20.5%-希少金属使わず実現)。

ペロブス20日刊工業

前述のように世界最高の変換効率は22%を超えていますが、それだと希少金属を使っているので大量供給には不安があり、ペロブスカイト太陽電池の特長である低コストの実現も難しくなります。このために大量に存在する材料だけで作る方法が研究されていましたが、20.5%で世界最高を達成したということですね。

 

この記事を会員でない私は全部を読むことはできませんので良く判りませんが、多分、この太陽電池はまだ安定性が十分に確保できていないのではないかと思います。一般的にペロブスカイト太陽電池は安定性に問題があると言われていますから、そこが改善されているともっと大々的に報じられていると思います。安い材料でかなり良い効率が出るようになったので、これから安定性も解決しようということではないかと想像しています。

 

さて、ペロブスカイト太陽電池は実用化に至るでしょうかねぇ。今のシリコン太陽電池も随分と安くなり効率も良くなっていますから、これに勝つのは大変そうですね。シリコンが勝つか、ペロブスカイトが勝つかという話になりますと、ペロブスカイト太陽電池は日本人が発明した太陽電池ですから、頑張ってほしいと私は思っています。

 

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