太陽電池のマイクロクラックがどの段階で起こるのかはっきりしませんが、基本的にはマイクロクラックはセルの品質、特に基板の品質が悪いから起こるのだと私は思っています。昔の太陽電池は基板品質が高く、こういう問題はありませんでしたから。従って、安い太陽電池はマイクロクラックも起こりやすいだろうと思っています。
ところで、マイクロクラックが原因とされているスネイルトレイルも、取りあえずは特性に影響を与えていないことが殆んどです。しかし、何年もの間の熱サイクルによるストレスでクラックが進行し、そのうち特性が落ちるということは十分に考えられます。
私がモニタリングしているスネイルトレイルだらけのモジュールは、今のところ1年に1%ぐらいの劣化を示しています。1年に1%というのは太陽電池としては少し多めの劣化率ですが、そのままであれば20年で20%の劣化なので、大きな問題とは言えないでしょう。
しかし、20年も待たずにずっと早い段階で一気に劣化が進む可能性もあります。
マイクロクラックやスネイルトレイルは新しい問題なので、長期特性にどのように影響を与えるのかまだ判っていません。リスクを負っても安いモジュールを購入するか、安心のために高くても信頼性のあるメーカーから購入するか、これは投資家の好みの問題なのでしょうね。
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