太陽光パネルのトラブルの一つにガラスの破損があります。普通は鳥が石をパネルに落としたり風で固いものが飛んできたりして起こりますが、パネル側の問題で起こることもあります。その時に瑕疵責任が誰にあるのか見分けるのは極めて難しい問題です。パネル側の問題でガラスが割れてもメーカーは原因が施工業者にあると主張し、交換に応じなかった具体例がありました(ハンダが焦げ、内側からガラスが割れた太陽光パネル、メーカーは「施工不良」を主張し交換に応じず)。
詳細は記事を参考にして頂くこととして、このような場合、メーカーと施工業者との責任の擦り付け合いになり、どちらに責任があるのかの判断が難しくなります。瑕疵補償を要求するのは難しいですね。割れた写真が下図です。
茶色く焼けた跡があり、明らかに内側からの熱によりガラスが割れたと思われます。熱の発生源はインターコネクタのハンダ不良と思われますが、問題は何故ハンダ不良が発生したかということです。製造時の問題である可能性が高いですが、施工の問題でハンダ不良が発生する可能性を否定できないのです。
施工時の問題で、というのは・・・、 施工時にパネル取扱いが悪く、セルにクラックが発生してしまった場合、そのセルはホットスポットの原因となり、長い間に熱サイクルを繰り返してハンダ付け不良を引き起こすというストーリーです。考えにくいことですが可能性は否定できません。
私の個人的見解としては・・・、 施工時の原因でセルにクラックが発生しホットスポットが起こったとしても、バイパスダイオードがあればハンダ付け不良を起こすほどの熱サイクルは起こらない(バイパスダイオードがあってもホットスポットは起こります)と思うのですが、証明はできません。
結局、この記事の場合、発電所のオーナーはメーカーからの瑕疵補償を得られずに、保険で手当てしたそうで、担当したメンテナンス会社もメーカーとの交渉はできなかったようです。
同じメーカーに集中してこのような事故があると、メーカー責任が問えるのかもしれません。昔(2003-2004年頃)、ある日本メーカーのモジュールでハンダ付け不良が大量に発生したことがあり、その時はメーカーもある程度は補償に応じたようですが、よく判らないまま泣き寝入りのユーザーも多かったのではないかと思います。
ユーザー側(メンテナンス会社や保険会社も)もできるだけトラブル情報を共有し、泣き寝入りにならない環境を作っていくことが望まれますね。
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