光学異性体なんて高校の化学で習って以来ですが、太陽電池で何十年かぶりに再会しました。東北大がペロブスカイト材料に光学異性体を利用した光起電力作用を持たせて太陽電池を作ることに成功したようです(東北大、ペロブスカイトで革新、太陽電池の新材料に)。
記事には効率など具体的なことは全く書いていないので、今のところはとても評価できるほどの特性ではないのでしょう。今はまだ原理確認の段階と考えた方が良いでしょう。
記事を読んでも難解です。実は本当に光学異性体のことかどうか確信が持てないのですが(笑)、pn接合の代わりに分子の反転対称性の破れを利用しているということで、これまでの太陽電池とは全く発電原理が異なります。もともとペロブスカイト自体が太陽電池としては新しい材料である上に、発電原理まで新しくなったわけです。しかもこの場合、どちらも日本人の発見という点が面白いです。
旧来のペロブスカイト太陽電池でもまだ安定性に問題があり実用化のめどはたっていませんから、この太陽電池も期待できるものかどうかは不明です。ただ、学究的にはとても面白い成果だと思いますね。引き続いて研究を重ねて欲しいです。
こういうことの積み重ねで科学は進歩していくと思っています。
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