太陽光発電協会の雑誌「光発電」の記事からのネタの続きです。今回は産総研からの投稿「太陽電池の屋外における迅速・低コストの測定を実現する技術」からです。
太陽電池の出力はIVカーブトレーサーを使って測定します。その時の光源には太陽光を使うべきものですが、測定精度に影響を与えずに再現性良く太陽光を得ることが難しいので、ソーラーシミュレータという人工太陽光を用いて室内で行うのが一般的です。このソーラーシミュレータと言うのはバカ高く、私のような個人がとても買えるようなものではありません。
また、太陽光を人工的に再現しても、どうしてもスペクトルを完全に一致させることはできないので、太陽電池の種類によって測定誤差が生じてしまうという問題があります。例えば、今のソーラーシミュレータはシリコン太陽電池の測定用に作られていますので、CIS太陽電池の測定では誤差を生じます。
まぁ、屋外で実際の太陽光とIVカーブトレーサーを用い測定できれば良いのですが、最大の問題は太陽光が安定しないこと、これを解決するために快晴の日を選んで行わなければなりません。快晴の日と言うのは意外に少なく不便なものです。
ここで紹介されている産総研の測定方法と言うのは測定時間が0.2秒なので、天気が変動してもほとんど影響を受けずに測定することができます。この測定時間が0.2秒のIVカーブトレーサーは既に商品化されています(福島産総研セミナーに行ってきました1)。
この記事では0.2秒の妥当性について解析しています。内容はざっと次のようなものです。
誤差が1%というのは検定に使うにはちょっと大きいですが、発電所の保守に使う場合はほとんど問題ありませんね。
ちなみに、私はIVカーブトレーサーを持ってはいるものの、測定に30秒も要するものなので大変不自由しています。想定はしていましたが、安かったので(15万円)購入してしまいました。先日このブログに登場した英弘精機もIVカーブトレーサーを出していて、測定時間は2秒です。2秒は十分使えますが価格は上がります(60万円ほど)。
さて、この0.2秒のIVカーブトレーサーはいくらするのでしょうか。30万円ぐらいなら買う価値がありそうですが・・・。
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