太陽電池IVカーブの説明

英弘精機の記事についての続きです。雑誌「光発電」に掲載された「大規模太陽光発電所の運用状況」の記事の中でIVカーブを測定して分析しているところがありましたので、今回は少しマニアックにIVカーブの話をしたいと思います。

 

話に入る前に少し前提知識を。ちょっとややこしいですが・・・。 太陽電池はセルが直列につながっていますので、どれかに影が入ると全体の電流が制限されてしまい、状況によっては出力が大きく下がる恐れがあります。これを避けるために、普通はバイパスダイオードと呼ばれるものが入っていますが、バイパスダイオードでバイパスされた部分は電圧がほぼゼロとなってしまいます。ふつうバイパスダイオードはセル20個ごとに入っていて、一つのバイパスダイオードが作用すると電圧が10Vほど下がります。 この最後の「一つのバイパスダイオードが作用すると電圧が10Vほど下がる」というところだけ覚えておいてください。

 

ではまず下の図。

IV上歪

赤破線の丸で示した部分の歪が判るでしょうか。歪より上の電圧では電流が制限され、歪より下の電圧ではバイパスダイオードが作用するので電流が元に戻ります。電流が制限されると言ってもほんの少しだけです。

 

説明ではこれはパネルの汚れによるものとなっています。パネルの汚れによる電流制限は少しですが、はほとんど全てのパネルで起こります。従って多くのバイパスダイオードが作用しますが、電流の回復は少しです。図の歪はVopあたり(電流制限の始まったポイント)から100Vほど下がったところでバイパスダイオードが働き始め、電流が少し増えていく様子が示されています。100Vほど低下なので10個ほどのバイパスダイオードが作用したのだと思います。典型的なパネル汚れによる歪と言えます。

 

英弘精機ではパネルの清掃を行ってこの歪が無くなることを確認しています。

 

では次の図。

IV横歪

ここで歪はIVカーブの右側に歪がありますが電流制限が始まってすぐにまたカーブが立ち上がっています。多分、バイパスダイオードが一つだけ作用したのでしょう。電流が大きく制限されていますので、大きな影が一部にだけかかったのだと思います。

 

実は英弘精機は故意に一部に影をいれてこのIVカーブを測定したようです。その後、影の原因を取り除いてIVカーブがもとに戻ったとしています。

 

まぁ、このようにIVカーブの歪から多少解析することは可能です。バイパスダイオードの動作はかなり難解で頭の中がぐちゃぐちゃになりそうですが、少し判ってくると頭の体操をしているようで楽しむことも可能です。

 

ただ、あまり解説書が無いので自分でいろいろ調べたり考えたりして勉強しなければなりません。この英弘精機のような解説記事はその意味で貴重だと思い取り上げました。

 

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2 Comments

太陽光発電道楽人

最大電力付近ではバイパスダイオードは動作しておらず、ご指摘のように電圧が1/3ぐらいのところに来て初めてバイパスダイオードが動作し、電流が増えることになると考えました。そのために歪が1/3ぐらいのところに来ます。

あやぱぱ

いつも楽しい話題をありがとうございます。
汚れによるIVカーブの説明で、バイパスダイオードが10個作用しているとの解説ですが、私はバイパスダイオードは1個もONしていないと思います。なぜなら、バイパスダイオードが1個でもONすると20セルが発電しない状態になりますので、電圧が低下するだけでなく電力が低下します。その結果、右肩の出っ張りと等電力線(斜め右下がりの直線)との接点(最大電力点)がパネル定格の1/3分引っ込むはずです。これがバイパスダイオード10個なら、最大電力点の位置は原点に向かって1/3近くになるはずです。(言葉で説明するのは大変ですね。)
つまり、パネル汚れのIVカーブは最大電力の影響が非常に少ないようですので、バイパスダイオードが働いているとは思えません。

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