太陽光業界の不況を指摘する記事がまた掲載されていました(太陽光パネル底なし不況、国内出荷26%減 4月~6月)。FITの買取価格が大幅に下げられたため市場が縮小し、倒産する会社も多く発生しているようです。この手の話はよくあり、このブログでも以前に取り上げたことがあります(太陽光発電業界は「不況業界」入りですか?)。私の考えは、前のブログでも指摘しましたように、FIT価格の引き下げは当初の予定通りであり、それに対応した戦略を採れなかったところが失敗しているだけだろうな、というところです。
太陽光発電所を作ったり運営したりする会社はFIT買い取り価格の引き下げ計画に従ってビジネスを計画することはそれほど難しくなかった筈だと思います。しかしパネルを作る会社は、将来の市場の縮小が予想できても当面の需要に対応する必要があり、難しかったかなという気もします。
太陽光発電はまだ実用化されたものでは無く、本質的には市場らしき市場がありません。今の太陽光パネル市場はほとんど政策的に誘導されているものばかりです。日本のパネルメーカーはまだ政策が不十分な時に赤字を出しながら市場を維持し技術開発してきました。FITでようやく一息つけると思ったら、今度は外国が廉価版を出して市場を荒らしにきました。まぁ、ビジネスとはそんなものなのでしょうが・・・厄介ですね。
結局、パネル事業は赤字なのでしょうか? FIT価格が下がったので今後の市場は縮小するでしょう。FIT制度は太陽光発電事業の推進のために導入されたものです。その結果、パネル価格はずいぶん下がったので制度を導入した価値はあったと思いますが、底なし不況(?)を作ってしまっては意味がありませんね。せめて、パネル事業が継続できる程度には制度を維持して欲しいと思っています。
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