所有している太陽光発電所の点検を行いました

分譲の太陽光発電所を購入し運用を始めてからほぼ1年が経ち、この機会に点検してみました。いわゆる低圧連系の発電所です。実は、半年ほど前にも点検したことがあり、その時にサーモビュアー像で下のようなモジュールがあり、気になっていました(白く映っているセルの温度が高い、太陽光発電の動作チェック18)。

IR1

その時も異常があるかと思い、このストリングのIV特性を測定しましたが、ストリング単位で異常は判らず、もっと細かいモジュール単位で評価する必要があるかと思いました。しかし、そこまで測定するのは難しかったのであきらめていました。

 

今回はモジュール単位でIVを測定するための道具を準備して(小道具2の続き)再挑戦しました。

 

さて、まず今回のサーモビュアー像です。

浅井IR異常

やはり温度分布はあるのですが、前回と温度の高い(白く映っている)セルの位置が違っています。妙ですが、なぜだかわかりません。とにかく温度の高いセルがあることは確かです。ちなみに、他のモジュールでこのように温度分布が見られるものはありませんでした。

 

このモジュールのIV特性を測ってみました。

筑西歪IV

電流が微妙に歪んでいるのがお判りでしょうか(赤丸の部分)。以前にこのブログで書きましたが(太陽光発電のチェック12太陽光発電の動作チェック13)、モジュールの中に電流の小さなセルがあるとホットスポットになる可能性があります。ただ、電流が少し少ない程度ですと、ホットスポットと言うほどの温度異常にはなりませんし、また、IV特性の変化も僅かでしょう。

 

現実問題を考えると、IV特性に僅かな変化しか与えないということは、出力-つまり発電量にほとんど影響を与えないということになります。「問題ないではないか」と言われそうです。一般的に、メーカーがモジュールを交換する条件も、出力が5%、10%低下した時ということになっています。サーモビュアーの像がおかしいとか、IVが少し歪んでいるだけでメーカーと交渉しても、モジュールの交換は難しいでしょう。

 

で、このモジュールを良く見てみるとスネイルトレイルも発見されました。

筑西自家スネイル

しかし、スネイルトレイルのあるセルはサーモビュアーでの白いセルとは違うセルでした。スネイルトレイルと温度異常とは必ずしも一致するわけではありません。

 

このモジュールについて、温度異常のセルを問題とすべきか、スネイルトレイルを問題とすべきか良く分からなくなってしまいました。

情けないなぁ・・・。いずれにせよ、取りあえずはこのままで様子を見ることにします。

 

ここにある分譲発電所の内、私が購入した分で、他にも少しスネイルトレイルは少し発見されましたが、他の分譲分の中にもスネイルトレイルは発見されました。中には一つのモジュールのうちの半分ほどセルがスネイルトレイルになっていたり、アレイの半分ほどのモジュールにスネイルトレイルがあったりするものがありました。

 

そのような発電所も今のところ出力に大きな影響は見られないようです。

 

しかし、5年後、10年後は大丈夫なのでしょうか。

20年持ってくれると良いのですが・・・。

 

不安材料があることは確かで、普段からリモートモニタリンなどグを行って監視することは必要です。また、怪しい時には簡単にコストをかけずにIV特性測定など詳細調査を行える体制を作っておくことも望まれると思います。

 

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