福島産総研で行われた太陽光発電の評価・診断セミナーは、IVカーブトレーサーのメーカーである日本カーネルの方により行われました。
講習ではアレイの中に不良モジュールがある時のIVカーブの歪み方の例が説明され、実際にフィールドでアレイの一部に影をつけてIVカーブが歪むのを確認しました。IVカーブが歪む理由は理論的には少し難しいのですが、そこはサラッと流して現象面を中心に説明していました。面倒な理論はとにかく「こんな歪が発生する」という現象は理解できたと思います。
座学の後、フィールドで実際に測定し歪んだIVカーブを確認しました。ここには500kWの太陽光発電所があり日本の各社の太陽電池が設置されています。あいにくセミナーの日は天気が悪かったのでデモの数は限られましたが、IVカーブの歪が発生することは確認できました。IVカーブトレーサーを使ったことがない人にとっては参考になるセミナーだったのではと思います。
この他、バイパスダイオードの検査機器も紹介されました。原理は簡単で、順方向に約0.1Aの電流を流し、電圧降下を見るというものです。ダイオードが普通に動いていたら一つのダイオードあたり電圧降下は0.5-1.0Vなので、直列数から全体の電圧降下を推定し、それより大きく外れていたら何か不良があるということになります。この方法は簡単にチェックはできますが、日が当たっていない時にしかできないという制約があります。まぁ、天候を気にせずに、夜にゆっくりチェックしたら良いということですかね。
さて・・・、
IVカーブトレーサーにせよバイパスダイオードチェッカーにせよ、ストリング単位での良/不良の判定は可能ですが、そのストリングの中のどのモジュールが不良なのかの判定はできません。これを如何にうまく見つけるかのノウハウなども教えてもらえれば、とても参考になるのですが・・・。
今後もいろいろセミナーを計画しているようなので、東京からはかなり遠いですが期待していてもいいですね。
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