こういう長期間使ったパネルの評価をしたという例は少ないので、それだけでも価値ある試みと思います(稼働33年の壺阪寺の太陽光パネルの性能は?)。産総研と信越化学が共同で行うらしく、期待が持てます。
さて、太陽光パネルに限らず一般的に初期の製品は丈夫に作られていることが多いようです。皆さんも「昔の製品はもっと長持ちした。」という経験があるでしょう。太陽光パネルも初期の製品は今のものより丈夫に作られているようです。思いつくところを挙げると次のようになります。
- IC用の高品質結晶シリコンを基板に使っているので、劣化しにくい
- 基板厚みが約0.5mmと今のものよりずっと厚いので、クラックなど起こりにくい
- バックシートに金属膜を積層しているので、水分侵入による劣化が起こりにくい
他にもまだあるのではと思います。一方、昔のパネルはEVA(セルを固定している透明樹脂)のノウハウが少なく、変色や酢酸分離などを起こしやすかったのではという面もあります。
しかし全体的に見て、昔のものの方が今より丈夫に作られているので、このようなパネルがあるので今のものも33年持つとは言えません。分析もこの辺りをどのように考慮するかが難しいところでしょう。
とは言え、貴重な分析成果が得られるだろうと思います。1か月ほどかかるらしいですが、どのような成果が出るか楽しみにしています。
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