題記のように経産省は太陽光発電設備の安全・保安規制強化の案を公表しました(経産省、太陽光発電設備の安全保安規制強化へ)。これは、昨年、太陽光発電設備の事故が相次ぎ、保安対策を強化するために経産省が3月末までに案をまとめると予告していた件です(「太陽光発電の安全確保に経産省が取り組む」「中小太陽光発電の安全規制強化」)。
この案では主に500kWから2000kWまでの発電設備が対象となるようです。2000kW以上の発電設備は工事計画の事前届け出が既に義務付けられていますので、そこで歯止めが可能ですが、2000kW未満の設備はほとんど無防備で保安規制強化が課題でした。
私はこれまで安全に問題がある発電所は50kW未満のものに多いと思っていましたが、この記事を読むと500kWから2000kWのものに多いようです。ちょっと意外です。記事では「特に500kW~2MW未満の設備において、大量のパネル脱落・飛散を伴う損壊が多く発生しているとの調査結果が報告された」となっていて少し表現が微妙ですが、まずは500kWから2000kWの設備を中心に下表のように規制を行うようです。
図中の「FIT法と連携した不適切事案の把握」という表現は判りにくいですが、不適切な事案を把握し、今後の設備認定取り消しや再エネ特措法の改正などを考慮しているようです。
規制の強化とともにインセンティブも考えられているようですが、提案されているのは「高度な自主安全体制を確立している事業者に対して電気保安法人などによる点検の頻度を緩和する」ぐらいで少し期待はずれな気もします。まあ、インセンティブはこれぐらいですかねぇ。
私の意識には50kW未満をもう少し強化しないといけないというものがありますが、まだ規制対象は500kWから2000kW未満で、今後のことは判りません。もしこれ以下の設備を強化していくことになっても、今回のものよりに規制度は緩くなるのでしょう。それでも何かやった方が良いとは思いますが、50kW未満なんて一般用電気工作物ですから難しそうですねぇ。
自治体単位で規制する動きもあるようなので、まだ規制は強化されていくかもしれません。
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