ソーラーフロンティアは小面積0.5cm2ではありますが、22.3%とCIS系太陽電池で世界最高のセル効率を達成しました(薄膜系太陽電池で世界最高の変換効率を達成)。太陽電池産業が厳しい経営に追い込まれている中でソーラーフロンティは頑張っているようです。今年は東北工場を稼働させるなど積極的な経営が目立ちます(東北工場から世界を狙うソーラーフロンティア)。
この太陽電池がいつ頃から製品になって出てくるか判りませんが、とにかくCIS系も結晶Siと同じぐらい、あるいはそれ以上の能力を持つことになります。結晶Si系もHITやPERCなど新しい構造で高効率化されてきているので、太陽電池の技術は新しい時代に入ってきたなという実感がします。
セル効率で22.3%の太陽電池がパネルになった時、どれぐらいの効率になるか判りませんが、これまでCIS系は変換効率が低く面積が要るという欠点が解消できることになります。
ところで・・・、
CIS系は光照射効果により設置後に効率が1-2割上がるという説があります。私もCIS系を使っていて実感しています。このため、CISは実質的に定格以上の発電をするため、コストパーフォーマンスが良いと言われています。では、今回発表されたセルも光照射効果で1-2割の効率向上が望めるのでしょうか?
この光照射効果というのは得体のしれない現象で、ソーラーフロンティアを含め誰も明確には説明してくれません。そもそもCIS系は全般的に得体のしれないところがあり、「温度による効率低下が少ない」「劣化が少ない」という話も流れています。これらも光照射効果を含んだ話なのか全く分かりません。
穿った見方をすれば、今回の効率向上は光照射効果を先取りしただけという詮索ができてしまいます。ソーラーフロンティアにその気が無くても、このセルで光照射効果が見られなくなれば、結果的にそういうことになります。光照射効果を先取りしただけならば、CISのコストパーフォーマンスが良いという利点が無くなってしまいます。
この辺り、ソーラーフロンティアはしっかり説明する必要がありますね。
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