水上ソーラー火災事故の詳細記事があった

台風15号の被害で市原市の水上ソーラーが損壊し、火事を起こした事故は有名ですね。事故のもう少し詳しい記事がありました(台風15号で水上メガソーラーが損壊し火災、強風で流されパネルが折り重なる)。

水上ソーラー記事

太陽光をやっている人なら、このような損壊があるとパネルから出火する恐れがあることはご存知だと思いますので、そのところは省略しますが、気になるのは「なぜここまで損壊したか」という点でしょう。

 

この記事によると、フロートソーラーが風で流されないように、水底にアンカーを打ってそこからロープで固定していたそうです。そのアンカーの耐風速強度が41.5m/sで、今回の台風では風速50m/sを超えていたため、アンカーが耐えられずに水底から外れ、ソーラーが流されて損壊したということです。

水上ソーラー写真

ポイントは耐風速41.5m/sで良かったのかと言うところでしょうかね。もちろん実際の風速も相当に凄かったのでしょうけれど、地上にはいろいろ障害物があるため、地表すれすれで風速50m/sになることは考えにくいです。

 

ただ、地表の障害物で風が渦を巻き、一部特異点として50m/s以上になる可能性はあります。また、風に吹き方によっては架台に想定外のモーメントが加わり、アンカーを抜いてしまったかもしれません。また、水底が均質でなく、アンカーの一部に41.5m/sを実現できていないところがあり、そこから事故が始まった可能性もあります。

 

耐風速41.5m/sというのは安全基準を満たしている値だと思いますが、上記のような想定外のことをどう考えるかは難しいところです。念のため強度に余裕を持たせたりすることもありますが、それにはコストがかかります。もともと、41.5m/sというのが余裕を見た値だった筈なのですが、こうなると見直す必要があるのでしょうか。あるいは今回の台風は例外的に強風だったとみなすのでしょうか。異常気象でこれからは異常強風の台風が増えてくるのでしょうか。気になりますね。

 

ちなみに私の持っている太陽光も耐風速は40m/sで、ここと同じぐらいです。大丈夫かな。

 

 

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7 Comments

SUN33

風圧荷重を50m以上にする必要はありません。
50mの風が吹いてもパネルに50mの風が当たらない様にすれば、良いのです。
北側に土手を作るとか、支線(ステー)を取るとか、方法は色々あると思います。風を逃がす為にパネルとパネル間に隙間を取ると風は逃げて行きます。
過積載で詰め込むとヨットの帆の様に全てが飛んで行きます。適切な対応をしないと逆効果になります。電柱も設計荷重が、「甲乙丙」で決まっています。
電柱は、横の方向に倒れます。支線強化するか、電柱を取り換えるか。二本にして人形柱にする対策が必要です。
来年も台風は、定期的に来ます。太陽光も適切な対応をすれば、被害も最小限に抑えられます。

太陽光発電道楽人

メールアドレスは良く判りませんでした。
台風が強力化しているので、既存の設備の耐風圧を強化したいという意見は良く判ります。
ただ50m/sの耐風圧が合理的かどうかはよく検討する必要があるでしょう。
電柱も40m/sで設計されていると思います。電柱は高さがありますので、強風を受ける可能性がありますが、太陽光は地上2-3mぐらいなので、40m/sになる可能性はかなり低いはずです。もっとも今回の台風で多くの電柱が倒れたことも事実で、東電も痛い目に遭っているので、耐風圧を強化すべきかどうか検討するでしょう。エネ庁でも考えているでしょう。その結果が参考になると思います。

SUN33

議論と言う訳ではありません。
問題は、すでに作られた設備(太陽光)などの耐圧をどう強化するかだと思います。
確実に50m級の台風が定期的に上陸します。
異常気象ではなく、定時気象となります。
台風の発生地点が沖縄近海になり、発達して本土で最大(50m以上)になります。(なりました)
私は、沖縄県内の電柱の設計や維持管理をしています。
43年なりますが。今本土で、沖縄で経験して来た事が再来しています。私のメールアドレスが見える様でしたらメール下さい。

太陽光発電道楽人

ご議論ありがとうございます。技術基準では(すみません、建築関係か土木関係か覚えていません)耐風速を地形によって38m/sぐらいから41m/sぐらいに定めていたと思います。従って太陽光発電に限らず、日本のほとんどの建造物は、これまでもこれからも、この基準に従って作られていくことになるでしょう。
公式の風速というのは障害物の少ない地上15mぐらいのところで測られるので、地表近くではそれよりもっと低くなります。その結果、技術基準が40m/sぐらいの耐風速に定められているのでしょう。例の市原の水上ソーラーの耐風速が41.5m/sで作られているのもそういう背景からだと思います。
ブログでも書きましたが、今後、台風が強力化してくるとすると、耐風速強度を見直さなければなりません。もちろんエネ庁はその辺りも見ていると思います。

SUN33

すでに作ってしまった物は、基準を見直しても意味がありません。ネ。40m基準を補強して50m以上に補強しないと壊れてしまいます。この台風は、これから毎年、本州のどこかに上陸します。来週、発生の17号は、九州から日本海を進路としています。
ちなみに私の設備は、完全コンクリート基盤でロブ付け架台で80m吹いても壊れない設計になっています。
それでも心配で更に補強出来る様に用意をしています。

太陽光発電道楽人

そうですね、まず技術基準を見直す必要があるでしょうね。

SUN33

沖縄からですが。
40m設計では、荷重が足りません。
異常気象の影響でこれから毎年、定期的に50m級の台風は来ます。
50mの台風でもそれ以上の風になる事もあります。
吹く風の時間で累積される為、エネルギーは、バイバイになり荷重不足の設備は、壊れてしまいます。
これまで大丈夫だったから、今度も大丈夫とは限りません。補強対策をする事をお勧めします。補強対策をする事をお勧めします。

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