本日の発電量(4/5)と太陽電池モジュール(タブ)

(カテゴリ: 屋根太陽光発電)

天気:晴れ一時曇り
本日の屋根太陽光発電量 :24.57kWh
場所:埼玉県
パネル:ソーラーフロンティア、実質4.3kW
パネル1kWあたりの発電量:5.71kWh

午前中、天気が良かったが、午後雲が出てきて発電量は伸びず。

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今日はタブに関する問題。

まずはタブに関する説明ですが、ご存知の方は下のトラブルの話までスキップしてください。

タブというのはセルとセルとをつないでいる平べったい電線。セルで発生した電流は、くし電極を経由してバスバーと呼ばれる少し太い電極に集まります。このバスバーにはタブがはんだ付けで載せてあります。従って電流はバスバーに乗っているタブに流れ、タブを通じてさらに隣のセルに流れていきます。
(図があればわかり易いのですが、さぼりました。すみません)

昔は一つのセルにタブを2本載せていたが、最近のセルは大きいので、タブを3本載せている。タブ1本あたり2-3Aの電流が流れます。この値は意外に大きく、タブで電気抵抗が大きいと電力ロスが無視できなくなるので、できるだけ電気抵抗を少なくするようにしています。

実は、ほとんどのモジュールではセルは全直列になっています。
従って1つのセルでも問題があれば、そのセルが全体の律速となり、出力を大幅に下げることになりかねません。
これを避けるために、「バイパスダイオード」というものを使ったりするが、その話は少し脱線気味なので、ここでは「バイパスダイオード」というテクニックがあることだけを覚えておいてください。

さて、タブというのは平べったい銅の電線にはんだコートしたものです。前述のバスバーやくし電極というのは「銀ペースト」と呼ばれる銀の粉末をペースト状にしたものをセルの表面に印刷して焼成して作ったもので、これははんだとなじみが良いので、一つのセルの表面と隣のセルの裏面をタブをバスバーにはんだ付けして接続しています。

太陽電池モジュールをよく見ると、タブが表面電極から隣のセルの裏側に回っているのに気が付くと思います。このように「一つのセルの表を隣の裏に」とタブで順に接続してモジュールの縦1列を作ります。その後、更にこの列をいくつか並べて直列に接続し、全体の配線が終わります。

さて、これからトラブルの話。

一連のセルはこのタブでのみ相互につながっているだけなので、ここにあまり力がかかり接続が弱くなると電気抵抗が発生したり、断線することもあります。
こうなるとモジュール全体の出力が大きく下がりますので要注意です。

タブで相互接続された一連のセルは、ラミネーションによりモジュール化されます。この時にEVAと呼ばれる樹脂が使われます。
ラミネーションではEVAでセルを包み、いったんEVAを融かしてから更に高温(約160度)で固化させています。

実は高温で固化させてから常温に戻す間にEVAは収縮を起こし、それによる力がストレスとなってセルやタブに掛かることになります。このストレスが意外に大きく、最悪、タブが外れたりすることがあります。

厄介なのは、製造直後はまだこのストレスによるトラブルが生じていなくて、現地に設置後、熱変動の繰り返しなどでトラブルを起こすことです。

現地設置後1年ぐらいで、セルが微妙に移動していたという実例も報告されています。もちろん、このような場合、タブが外れている可能性は大です。

今から10年ほど前に、このタブの接続不良問題が結構起きました。当時は住宅用の需要が拡大してきた時で、コストダウン、増産、さらに住宅屋根用の新規モジュールの開発などを一気にやろうとしてた時期で、十分な信頼性確認のできないまま市場に出てしまったモジュールが結構あったようです。

とにかく、タブが接続不良を起こすことがあるということを覚えておいてください。
続きは、また次回。

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