今年の太陽光発電シンポジウムではZEH(ゼロエネルギーハウス)についての話もありましたが、まだZEHは需要を煽っているだけの印象が強く、それほど興味を持っていませんでした。メーカーが意識しているのは政府が補助金を付けた事と、2019年以降にFITの高値買取りを終えたユーザーが有望な買い手であることでしょう。それ以外にはあまり魅力のある商品とは思えません。
ところで、今回のシンポジウムではZEHについて結構正直な報告がありました。それは、太陽光発電とバッテリーを組み合わせたZEHの設計は難しいということです。下図のように、5月頃の太陽光発電量は非常に多いのに対して電力消費は小さく、逆に1月頃は発電量が少ないのに対して電力消費は大きくなります。従って、システムはパネルとバッテリーのどちらかが過剰な設計になってしまいます。
経済性を考えると、パネルやバッテリーのコスト、電気の購入/買取価格、更にユーザーの電力需要などを考慮しバランス計算していかなければなりません。しかしこれらは変化していく値ですからねぇ・・・。特にユーザーの電力需要はライフサイクルで大きく変わります。メーカーとしても読みにくいところでしょう。
最近はパネルコストがずいぶん下がったので、電気を余らしてもパネルを多めにし、高価なバッテリーは小さめにするのが今の基本方針でしょうか。その上で使う方も工夫していくことになるでしょう。この辺り、工夫が必要な割に経済的メリットが少ないように思えます。
一方、電力会社の電気から独立するために、あるいは原子力発電の電気を使わないためにZEHにするという人もいるでしょう。そのためにはネットゼロ(電力会社と電気を売買するが、差し引きで購入をゼロにする)ではダメで、完全に独立しないといけません。そうするとやたらバッテリーの大きなシステムになってしまい、かなり高コストになってしまいます。
バッテリーがまだまだ高いのがZEHの難点でしょう。バッテリーを使うとどうしても電気は高くなってしまいます。最近はテスラー社がバッテリーのコストダウンに貢献していますが、更なるコストダウンが必要です。
テスラー社をはじめ、バッテリーメーカーの皆さんの頑張りに期待しましょう。
コメントを残す