第4回目は、CIGS薄膜ソーラーセルについて、その特徴をご説明します。
<配信予定>
第1回:特徴と設置場所(今までに無かった場所)
第2回:設置方法(今までとは違った方法)
第3回:特殊な使い方
第4回:CIGS薄膜ソーラーセル
<第4回:CIGS薄膜ソーラーセル>
最終回となる第4回では、少し趣向を変えてCIGS薄膜ソーラーセルについて、技術的な内容のご説明をいたします。
1.CIGSタイプの利点
Miasole社FLEX-02シリーズで使われているCIGS薄膜ソーラーセルは、銅(Cu)、インジウム(I)、ガリウム(G)、セレン(Se)を主材料とする厚さ数ミクロンの薄膜で構成されています。
CIGSタイプのソーラーセルは、結晶シリコンやアモルファスシリコンなど他のどのタイプのソーラーセルよりも広い光の波長域で発電が可能です。
特に、長波長側でその特性は際立っており、赤外線領域の波長まで効率良く発電が可能となります。
この事は、特に朝夕の太陽高度が低い位置にある時に威力を発揮します。
下図に同じ出力の結晶シリコンタイプとCIGSタイプのソーラーモジュールを同じ設置方法にして日没に近い時間の発電能力を比較したデータがあります。
結晶シリコンタイプが発電不能な状態でも、CIGSタイプは、まだ発電が出来る状態です。CIGS薄膜ソーラーセルは、朝夕に強いと言われているのはこの様な特性に起因しています。
同じく、より波長の長い赤外線は、曇天でも地表まで届きますので、曇天での発電能力にも自ずと差が出てきます。
この様に、単に発電効率や、最大出力という数値では出てこない違いがCIGSタイプの優れた点と言えます。
各種ソーラーセルの波長対応性能比較
出展:Solar Cell Spectral Response Measurement Errors Related to Spectral Band Width and Chopped Light Waveform by NREL
CIGSタイプとポリシリコンタイプの発電量比較
(朝夕や、曇天での発電能力がこの違いを生み出している)
2.Miasole社FLEX-02シリーズ
CIGS薄膜ソーラーセルを使ったMiasole社FLEX-02シリーズは、変換効率17%を超えるものとなっています。CIGSタイプの弱点と言われた変換効率が、結晶タイプと遜色ない高いものとなっています。
CIGSタイプのソーラーセルは、半導体製造技術のスパッタリングや熱処理などを行う為、その製造装置の限界により大きさも限界がありました。
しかしながら、FLEX-02シリーズでは、ロールトゥロールでの連続製造により、生産性の向上とフレキシブル性の確保を同時に実現したのです。
3.まとめ
最後となる第4回では、CIGS薄膜ソーラーセルの特徴と、Miasole社FLEX-02シリーズの生産方法について、簡単に説明しました。
今までに無い、薄く軽量、曲がる、貼るソーラーモジュールで、必ずや、みなさまのお役に立てるものと信じて、ご説明を終了します。
Miasole社FLEX-02シリーズ
https://ichiba.solar-club.jp/products/detail.php?product_id=209
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