フレキシブル太陽光モジュールの設置方法とコスト

(カテゴリ: フレキシブルソーラーモジュール)

<フレキシブル太陽光モジュールの設置方法とコスト>

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前回までのご説明で、フレキシブル太陽光モジュールがどういうものかについてご説明しました。

今回は、従来と異なる設置方法とコストについて説明します。

 

フレキシブル太陽光モジュール自身は、基本的に接着剤による貼付か、または枠に挟んで押さえつけるかの2つになります。

今回は、接着剤による貼付設置について中心に説明します。

 

1.貼付設置手順

貼付設置については、以前にも少し触れましたが、基本的に下記の順序で設置を行います。

手順1:接着面のクリーンアップ

手順2:接着面の下地処理

手順3:フレキシブル太陽光モジュールの貼付設置

   (貼付後、加圧ローラーで圧着処理)

手順4:配線作業

 

以下に、設置場所毎のPV設置について説明します。

 

2.設置場所に応じた接着面処理

(1)接着面に凹凸の無い金属屋根やカーポートなどのプラスチック屋根への設置

これらの屋根については、接着面に錆などが浮かんでいなければ、ほとんどの場合クリーンアップのみで設置が出来ます。

コストも洗浄のみですので、非常に安く済みます。

接着面に錆などが浮かんでいれば、防塵塗料塗布などの対策を行った方が安心です。防塵塗料も通常のもので十分で、特に特殊なものを手配する必要はありません。

上記下地処理が終わった後で、フレキシブル太陽光モジュールの貼付になります。

剥離紙を剥がしながら、ブチルゴム系の粘着剤を下地に圧着し貼り付けます。

圧着は、加圧ローラーで行います。

5-1下地処理(クリーンアップ)

5-2フレキシブルモジュール貼付

5-3加圧ローラーでの圧着作業

 

5-4金属屋根への設置例1

5-5金属屋根への設置例2

 

 

(2)コンクリート製屋上(陸屋根)への設置

コンクリート製の屋上には、当然のことながら、そのまま接着は出来ません。

下地処理が必要となってきます。

コンクリート製屋上は、防水処理として防水塗装か躯体防水(コンクリートの中に防水剤を混ぜ、建物全体で防水性を確保出来るもの)とに分かれます。既に防水処理として防水塗装が行われている場合は、クリーンアップのみでフレキシブル太陽光モジュールが貼り付けできる事になります。もし、防水塗装が劣化しているようであれば、下記と同じ処理を行います。

まずは、クリーンアップです。これは高圧水洗浄+必要に応じて溶剤洗浄を行う事になります。

次に、防水塗装を“フレキシブル太陽光モジュールを設置する部分のみ”行います。

防水塗装は、一般的な2層塗りを行う事で十分な性能を発揮します。

塗布はウールローラーで行いますので、養生時間を入れても1日ないし1.5日で終了すると思われます。

 

5-6防水塗料塗布の様子

 

その後にフレキシブル太陽光モジュールを貼付設置します。加圧ローラーでの加圧を含め、10kW分程度のモジュールは、1日で終了すると思われます。

 

5-7加圧ローラーでの圧着作業

5-8モジュール取付後

実際の取付に関しては、簡単に終了します。

 

 

(3)壁面への取付(下地鋼板使用)

壁面への取付については、壁に直接貼付設置が出来ないケースが多いと思われます。それは壁板が凸凹であったり、組合せの継ぎ合わせの部分があったりで、接着性が悪くなる要素が多数あるからです。

最初から貼付設置を前提とした壁面はあまり存在しない状況で、使われる方法は下地鋼板としてガルバニウム鋼板(0.5mm厚程度)にフレキシブル太陽光モジュールを貼り付け、下地鋼板を壁面にネジ止めする方法です。

5-9壁面設置例:FLEX-02N/FLEX-02Wを組み合わせて使用

 

3.設置費用(コスト)

気になるのが、設置費用です。

従来型の架台を使った設置ではありませんので、設置費用についても全然異なってくると思われます。

もちろん、地域差や設置対象によって変動はあると思いますが、関東近郊での平均的な推定設置費用を下記にまとめます。

(1)クリーンアップ(高圧洗浄)=約3万円/10KW(約80平米)

(2)防水塗装(2層塗り塗料含む)=約18万円/10KW(約80平米)

(3)フレキシブルモジュール取付(電気配線除く)=約5万円/10KW(約80平米)

(4)ガルバニウム鋼板(0.5mm厚)壁面設置費=約20万円/10KW(約80平米)

※上記にはPV費用、足場等の費用、電気配線材料・機器等は含みません。

 

 

4.まとめ

フレキシブル太陽光モジュールは、軽量・薄型であるため、今まで設置不可能出会った場所への設置を可能とします。

上記説明から、コストが一番安く済むのは、金属屋根等に高圧洗浄のみで貼付設置するケースとなります。

軽量で無ければならないところという事も考慮すると、体育館のような金属丸屋根や、カーポートなどのプラスチック屋根への適用が一番効果的であろうと思われます。

もちろん、コンクリート製陸屋根においても、台風などの影響を受けにくい事など非常に有利な面も併せ持っております。

また、降雪地帯においては、どの様に設置しても積雪の影響は受けるものですが、壁面への設置が可能であれば、雪の影響をあまり受けずに発電が可能となるところです。

 

今回は、色々な設置場所について、方法とおおよそのコストについて説明しました。

次回以降、特殊な用途や、その他の太陽光モジュールなどの説明を行っています。

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