フレキシブル太陽光モジュール 曲面設置時の発電量算出

(カテゴリ: フレキシブルソーラーモジュール)

<曲面設置時の発電量算出>

フレキシブル太陽光モジュールは、曲がるという特性で今までに無いところへの設置が可能です。

しかしながら、曲面に対して太陽光が当たるため、果たして発電量はどうなるのだろう? と言う問題も出てきます。

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今回は、曲面設置における発電量について、その算出方法を説明します。

 

1.フレキシブル太陽光モジュールの特性

フレキシブル太陽光モジュールは、結晶タイプの太陽光モジュールと比較し、小さなセルが集合した様な構成となっています。

このため、モジュールの一部に何かの影が掛かっても、発電量が落ちるのは、影が掛かった小さなセルの部分だけで、他の部分は有効に発電が行えます。

これが、影に強いと言われる薄膜タイプの太陽光モジュールの特性です。

曲面設置の状態においても、太陽に対する角度は、小さなセル単位でそれぞれ考えることが出来、全体の発電量は小さなセル単位での発電量を合計したモノとなります。

 

2.日射量データ

一般に、日本における太陽光発電所の発電量は、NEDOにて提供されている日射量データベースを元に算出します。

日射量データベースは、METPV-11(年間時別日射量データベース)、MONSOLA-11(年間月別日射量データベース)の2つを持っており、METPV-11については、太陽光モジュールの傾斜角、方位角が1度単位で変更出来ますが、MONSOLA-11については、傾斜角は10度単位、方位角は15度単位でのデータとなります。

年間(または月別)日射量を算出するためには、METPV-11の時間毎の出力値を全て積算することで行うか、一覧表で出てくるMONSOLA-11の値を使う事になります。

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NEDO:MONSOLA-11画面

  

一方で、曲面の発電量を算出するためには、小さなセル単位での発電量を積算する事で、発電量の算出を行います。

METPV-11の出力データを積算することは可能ですが、角度毎のデータ量は非常に大きくなり実際に扱うのは煩雑になります。

今回は、MONSOLA-11のデータを利用して角度情報を補完して使用する事とします。

 

3.発電量の算出例

今回は、カーポートなどのかまぼこ形屋根への曲面設置について発電量を算出してみましょう。

下図例の様なカーポートを例に、発電量を算出します。

6-2カーポートの例

 

分かりやすい様に、カーポートが南向きに設置されており、幅4800mm、屋根の曲率はR6900mmと仮定して計算します。

計算した結果が下記となります。

6-3カーポート屋根曲率検討

 

角度は、右端から左端まで40.7度、PVを配置可能な屋根の曲面寸法は4903mmとなります。

これを元に、太陽光モジュールの配置を決め、発電量を算出する事となります。

 

NEDO:MONSOLA-11のデータは、前述したとおり傾斜角10度毎、方位角15度毎に提供されていますので、今回使うデータは方位角を90度(東向き)として、順次傾斜角を付けて発電量を計算し、積算することになります。

今回、南向き駐車場、屋根は1方向のみ曲面という仮定に基づき、曲面中央から東側と西側は、同じ曲率として計算します。

MONSOLA-11のデータで、方位角を東向きに合わせ、傾斜角を0度/10度/20度に合わせたデータをとります。同様に方位角を西向きに合わせ、傾斜角を0度/10度/20度に合わせたデータをとります。(0度は水平面となるため、東向き、西向き同一のデータとなります。)

これらのデータを用いて計算を行いますが、あまり細かいシミュレーションをしても煩雑になるだけですので、今回は傾斜角5度毎のデータを積算することで計算を行います。

 

傾斜角のデータは、0度/10度/20度しかありませんので、途中については、前後する傾斜角のデータから平均して算出します。

6-4カーポート屋根角度割り振り

 

上記にて算出した角度毎に実際の太陽光モジュールの相当する面積比を当てはめて計算します。

簡易的に、東向き15度〜0〜西向き15度までの角度に均等に面積を割り振ることにします。

この条件で算出した発電量(シミュレーション)が下記となります。

<横浜における発電量>

神奈川県横浜における発電量として、カーポートへ2.96kWの発電モジュールを設置した場合について、シミュレーションしたものが下記となります。

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曲面設置時の発電量シミュレーション

 

かなり大まかなシミュレーションになりますが、概ね発電量は把握出来ると思われます。

 

4.まとめ

曲面で構成された屋根(カーポートや体育館の屋根など)へのフレキシブル太陽光モジュール設置時の発電量算出について説明させていただきました。

地域によっても少し異なると思いますし、何より設置する対象の屋根の向きによってかなり影響が出てきます。

しかしながら、CIGSタイプの太陽光モジュールであれば、斜めから差し込んでくる太陽光でも有効に発電を行いますので、より多くの電力を発電することも可能と思われます。

 

次回は、同様の方法で自立形街路灯に適用した場合のシミュレーションを説明します。

 

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