上図は不良IVカーブの一例です。これはアフリカで入手したパネルのIVカーブで、日本にはこんなパネルは無いだろうと思いますが、劣化するとこのようになるかもしれません。
上の図で赤丸の部分が少し歪んでいるのがお分かりでしょうか。本来この部分は直線的なのですが、このように歪んでいるということは、直列に接続されたセルの中に特性の低いものがあって、場合によってはそれが逆バイアスされ発熱している(ホットスポット)可能性があります。これは「直列接続」の時に述べました。
(注:IVカーブの下側にある山形のカーブはIWカーブ、すなわち電流電力カーブですが、ここでは関係ないので無視してください)
上の例はパネル単体の時ですが、同じようなことはストリングでも起こり得ます。ふつうはホットスポットによる事故が起こらないように、パネルにはバイパスダイオードが内蔵されていますので、大事故にはなりませんが、ロスが生じることは確かです。上の図程度の歪であれば、それほど大きなロスにはならないと思いますが、できるだけ見つけて取り替えるほうが良いでしょう。
私自身はこれまで太陽電池技術に携わってきたので、このような異常にはとても興味があります。従って、このような細かいところまで指摘しましたが、太陽光発電を単にビジネスと割り切って運営している方にとっては、あまり細かいところは気にせずに、もっと大きな異常がでるまで置いておくという考え方もあるでしょう。しかし、大きな異常(出力が数%以上低下など)がないかどうかはいつも見ておいた方が良いと思います。
さて、下の図は本来のIVカーブの例です。上の図と良く似ていて、違いは微妙です。パネルに異常があっても、検査を合格して販売されたパネルであれば、せいぜいこの程度の微妙な歪がある程度だと思います。IVカーブ測定ではこのような微妙な違いを読み取る必要があります。また、「ソラメンテ」や「ソコデス」だと、この辺りまでは検出できない可能性もあります。
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