現在の太陽電池のほとんどは結晶系シリコンで、一部にCIS系、宇宙などの特殊用途にGaAs系が使われている程度です。結晶系シリコン太陽電池は製造に高温を要するため、コストがかかると言われてきましたが、今では30円/W程度で作れるようになりコスト面の問題もほぼ解決されました。もう結晶系シリコンに勝る太陽電池は出てきそうにありませんね。
・・・と思っていましたが「太陽電池にイノベーションの波」という記事がありました。「へーっ」と思って読んでみましたが、ペロブスカイト太陽電池のことを取り上げたもので、特に新しい内容もなく、少なくとも「イノベーションの波」というものは感じられませんでした。
確かにペロブスカイト系は低温で作れるため、低コスト化できるかもしれませんが、既に結晶シリコン系が十分に安いため、あまりインパクトがありません。それよりも低温で作るものは安定性に不安が残りますね。シリコン系でもアモルファス太陽電池は低温で作れるため低コスト化が期待されましたが、光劣化問題が解決できませんでした。塗料などでも高温で焼きつけたものは抜群の対候性ですね。ペロブスカイト系太陽電池でも経時劣化の問題があり、これが致命的になるのではないかと思っています。
それよりこの記事、随分文章が安っぽいですね。週刊誌記事見たいです。記事に著者紹介があったので見てみると、投資会社に勤めていて医学系の研究開発マネジメントの支援活動をしているとか。太陽電池と全然関係ない人のようです。それで納得したわけですが(笑)、それにしても何でこんな記事を書いたのかな???
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