9月30日に行われた英弘シンポジウムに行ってきました。
英弘(英弘精機)と言えば太陽電池をしている人にとってはお馴染みですが、一般的にはあまり知られていない会社でしょう。もともとは気象観測の会社だったようで、太陽電池の会社が日射強度を正確に測る時に使う日射センサーはほとんど英弘のものだと思います。太陽電池関係の測定器には早くから取り組んでおり、IVカーブトレーサー開発の草分け的な存在でもあります。
そのような会社なのでどうしても測定関係の内容が多いのですが、「太陽電池事業の課題」と少し広いテーマのシンポジウムが行われました。今回出席して気にとまった点をいくつか紹介したいと思います。
まずシンポジウム全体では、①スマートグリッドについての概論、②市民NPOから見た太陽光発電への課題、③英弘ソーラーパークの診断、④メガソーラーの課題、のようなテーマで講演がありました。
この中で③の英弘のソーラーパークですが、英弘は二つの太陽光発電所を持っています。そのうち「あみソーラーパーク」と言われる発電所は2013年に日本の各社のパネルを使って作られ、同社の測定器の実証などのために運営されています。発電容量は700kWほどになります。
英弘は今年、もう一つ太陽光発電所を作りました。そちらは1.5MWほどの容量で、ストリング監視などを行って高効率に運転する技術の実証のために運用するようです。
この内、「あみソーラーパーク」の2年間の運転結果と検証を行った報告は、かなり具体的で参考になりました。取りあえず全体的な話をしますと、
- ●2年余りで3-5%出力が低下している(汚れの影響を含む)
- ●トラブルはパネルが1枚割れただけ
- ●運営経費は売り上げの2割ほど
出力はモニタリングされているので、そのデータから出力低下を見ていますが、ここで見られた出力低下は主に汚れによるもので、パネル自体の劣化はもっと少ないだろうと推定しています。日本のパネルなので劣化は少ないでしょう。
この後、ストリング毎のIVカーブを測り、評価を行っているのが参考になりましたので、次回紹介します。
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