フレキシブル太陽光モジュール 曲面設置時の発電量算出 その2

(カテゴリ: フレキシブルソーラーモジュール)

<曲面設置における、発電量の算出 その2>

フレキシブル太陽光モジュールは、曲がるという特性で今までに無いところへの設置が可能です。

今回は、垂直設置+曲面設置の例について紹介します。

 

1.垂直+曲面設置=「自立形街路灯」

垂直設置と曲面設置の事例として、自立形街路灯が挙げられます。

フレキシブル太陽光モジュールを曲げて円筒状に設置出来れば、外観としても美しいものになります。

事例として、下記の様な「自立形街路灯」を例に取り、発電量を算出してみましょう。

7-1自立形街路灯例

 

2.寸法図

フレキシブル太陽光モジュールは、直径500mmの曲率まで曲げることが出来ます。

これより設計上の寸法は、全高5900mm、PV部は高さ1800mm/円柱部直径550mmであれば問題ありません。下図に寸法図を示します。

7-2全体寸法図

 

PV部分のみの上からの寸法・設置図が下記になります。横幅370mmのフレキシブル太陽光モジュールを3枚円周上に並べて配置する事が出来ます。

7-3PV配置(上部から見た図)

 

この際に、配置の角度は、下記の通りとなります。

7-4PV配置角度(上から見た図)

+130度〜-130度まで発電領域が配置されています。

この寸法・角度を元に、発電量を算出してみます。

 

3.発電量の算出

前回説明したとおり、NEDO: MONSOLA-11の方位角別発電量データは15度単位で出されていますので、これを補完によってもう少し細かくするために、5度毎のデータとして計算することとします。

下記が、垂直設置で、方位角を補完により5度毎に細かくした日射量の数値データです。

7-5
垂直設置・方位角毎の日射量データ

 

次に、方位角5度あたりの発電電力割合を算出します。

直径500mmに対して、円周は3.14159x500=1570.8mm。これに対して、幅370mmのPVは角度として370/1570.8 x 360°=84.8°分となります。

従って、角度5度に相当するPV発電量の割合は、下記となります。

5度あたり発電電力割合=5/84.8 x100%= 5.896%となる。

もし、最大発電電力75WのPVであれば、75×5.896%= 4.423Wとなります。

7-6PV配置と角度

 

上記条件で、PV出力を75Wとした時の、角度毎の年間発電量を下記に示します。

7-7

角度毎に、上図の発電量となり、全体の発電量は有効な角度毎に発電量を積算する事で得ることが出来ます。

 

上記角度毎の日射量から発電量が分かったところで、実際に75Wのフレキシブル太陽光モジュールを3枚円周上に貼り付けた場合の1日あたりの発電電力量を年間平均と月平均として算出します。

発電効率は85%とし、方位角130度の位置は、他の位置に比べて半分の面積が掛かっていると仮定して算出します。

その結果が下記のグラフです。

7-8
1日あたりの平均発電量

 

年間平均として、1日あたり平均441.8Whの発電量が見込まれます。

一番発電量が少ない月でも、1日あたり平均386Wh程度は発電する事となります。

 

4.発電と電力使用のバランス設計

もちろん、曇りにも強いCIGS方式のフレキシブル太陽光モジュールでも、発電量はゼロに近い日もあります。

バッテリーへの蓄電で、発電が出来ない日についても、カバーする必要があります。

一般に、バッテリー容量は7日間充電せずとも動作する程度の容量を持ち、平均発電量が電力使用量を上回っていれば、充電は行われ、バッテリーがからになることは無いと言われています。

この条件を満たすためには、まず1日あたりの電力使用量を一番発電量が少ない月の386Wh/日以下と設定します。念のため15%以上小さい電力量の325Whを上限とします。

街路灯を構成する場合であれば、夜の時間のみ点灯すれば良いことになりますので、例えば下記の様な電力プロファイルで動作させるとします。

7-9
街路灯、点灯時電力プロファイル

 

最大電力は40Wとなり、夕方と深夜は少し電力を落とす事になります。合計の電力量は290Whとなります。

制御関係に使用する電力を加えても合計300Wh以下となります。

 

バッテリーの容量も決定しなければなりません。300Whの電力使用量に対して、7日分の容量は、2100Whとなります。

これで、全ての情報が得られました。

 

5.まとめ

まとめると、以下の通りとなります。

(1)フレキシブル太陽光モジュール

 75Wのものを3枚円筒状に垂直設置。

 年間平均発電量 441.8Wh/日(機器損失15%含む)

(2)照明使用電力量

 照明単体290Wh/日、制御機器含め300Wh/日

(3)バッテリー容量

 2100Wh以上

 

以上、自立形街路灯を例に取り、垂直設置+曲面設置となるフレキシブル太陽光モジュールの発電量を算出し、実際に動作させる運用の電力量シミュレーションをご説明しました。

興味を持って頂けたら、幸いです。

 

次回は、異なったタイプの太陽光モジュールをご紹介します。

 

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