昨日、日照時間と日射量についての話で触れましたように、日照時間は太陽光発電の発電量計算には使われませんので、あまり太陽光発電関係では出てきません。しかし、一般的には良く使われる言葉なので、もう少し日照時間について触れようと思います。
日照時間は太陽光の強さが一定以上の時間です。一定の強さとは 0.12kW/m2 で、日本では太陽光の強さの最大が大体 1kW/m2 なので、昨日の説明で書きましたように晴天の12%ぐらいの光強度になります。明るい曇りならこれぐらいの光強度があるでしょう。
日照時間を測る時、光の強さは太陽光に対して垂直な面で測ります。日照時間は太陽の照っている時間を表すので、測定する場所の向きや傾きに関係なく太陽光の強さを見る必要があるからです。日射強度が測定面の向きや傾きに依存するのと対照的です。
従って日照時間を測るには太陽を追尾するセンサーを使いますが、昔、おもしろい日照時間の測定器を見たことがあります。それは球レンズを使ったもので、これを日照下に置き、太陽側と反対側の光が収束する面に感熱シートを張っておいて、一定強度以上の光が当たった時に感熱紙が焦げるようにしておきます。そうすると、太陽の移動に従って感熱紙上の光が収束する点も移動しますので、焦げた跡の長さを測れば大体の日照時間が判るというものです。あまり正確ではありませんが、これなら太陽がどこにあっても良いし、追尾しなくても自動的に記録できるので、よく考えたなぁと感心しました。
さて、日本での日照時間は1500から2200時間ぐらいのようです。昨日の神戸の日照時間が1988時間としているのは妥当な値だと思います。一方で日射量と言うのはエネルギー量なので例えばkWh/m2で表したりします。日本では1000から1300kWh/m2ぐらいになると思います。数値的には日照時間の6割ぐらいの値になると見て良いでしょう。
一方、太陽光パネルの定格出力は1kW/m2の光に対して定義されています。日射量が例えば1200kWh/m2というのは1kWh/m2の光が1200時間となるので、太陽光パネルの出力は定格に1200時間をかけて計算すれば良いことになります。つまり日射量が時間のように取り扱えます。
このようなことから、日照時間と日射量を混同しやすくなる訳ですが、やはり間違いはいけませんね。
言葉を正しく理解しましょう。
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