もう「原発〇〇基分」という言い方は卒業しよう

(カテゴリ: 元太陽光発電技術者の独り言)

タグ:

東京新聞

前々回までこのブログで朝日新聞などが報じた「太陽光発電によるピークカット効果」を再検討しましたが、またまた同じような記事が東京新聞から報じられました(太陽光発電 今夏シェア6%台に ピーク時に原発12基分)。

 

太陽光発電には確かにピークカット効果があるのですが、最近の1日の電力需要はフラットになっていますので、日中にのみピークを持つ太陽光発電のピークカット効果はあまり望めなくなったというのがブログで紹介した考え方でした。しかし、相変わらずメディアはピークカット効果ばかり報じていますね。まぁ、その方が判りやすい話になるというのはわかりますが。

 

ただ、東京新聞の場合「原発12基分」という表現をしていることに幻滅を感じてしまいました。これもよくメディアで使われる言葉です。当初は太陽光発電もそこまでの規模になったということを、インパクトを持って印象付けることができました。しかし、あまりによく使われるので、最近では安っぽい印象すら受けてしまいます。

 

そもそも太陽光発電と原発を定格発電規模でそのまま比較するのは無理があります。

 

まず、太陽光発電はめったに定格を出力できません。また、発電規模でなく発電量で比較すると太陽光発電は定格の10分の1以下の規模の発電所クラスになってしまいます。東京新聞の記事で言えば、12基分でなく1基分ぐらいになってしまいます。しかも不安定で夜や雨の日は発電しないという欠点を持つことは皆様もご存じのとおりです。

 

ピークカットの価値が低くなり、発電量の価値が必要とされるようになった今では、発電規模での原発○○基分という表現はもうあまり意味がないでしょう。

 

しかしこれは見方を変えれば、太陽光発電も初期の導入期は過ぎ、次の時代に入ったのだと言うことができます。まだ太陽光発電はFITで保護されていますが、次の時代では他の発電方式と対等に市場競争できるように育って行かなければなりません。

 

最大電力追尾(MPPT)で系統連系する方式であれば、すでに発電コストはグリッドパリティに近づいているようです。しかし、日射の変動をそのまま発電に反映させるような需要を無視した発電方式が市場に受け入れられるとはとても思えません。バッテリーなどを使って、需要に応じた電力供給する形で市場競争できること、そこまで行ってやっと一人前と認められることになるでしょう。

 

まだまだ道は長いですが、着実に状況が進んでいることは嬉しく思います。もう原発○○基分というのは卒業しましょう。

 

よりそいプラン 太陽光発電ムラ市場メルマガ登録

太陽光発電ムラ市場セカンダリ無料査定



太陽光発電ムラ市場 パワコンの電気代を10分の1に!