応援お願いします(^人^)⇩
PVまにあです。
さて、現在工事を進めてもらっている第12発電所、元の地目は田んぼだったのですが、20cm下に岩盤があり、杭が入らないということで、架台の施工の方式を変えさせてくれないかという連絡が来ました。
強度的に問題ないかが重要です。
そこで、勉強しました。
野立て発電(フィールド設置)で用いる基礎の設計要件や工法などを、 JIS(日本工業規格)のC8955「太陽電池アレイ用支持物設計標準」に基づき実施されているかが重要になります。
野立て発電システムに用いられる基礎工法には、3種類ありそうです。
布基礎(独立基礎)、ベタ基礎(連続基礎)、置き石基礎(サイコロ基礎)
今回提案されたのは置き石基礎です。
コンクリートブロックやサイコロブロックといったコンクリート二次製品にアンカーを取り付け、そこに架台を設置するというもの。重量を稼ぐことが難しく、また重量が十分である場合でも輸送が負担になることがデメリットだそうです。
さて、基礎に求められる具体的な重量について検討したいと思います。
フィールドに設置する場合、最も大きな懸念材料とされているのが台風です。
気象庁が定義する最大風速44m/sec以上の「非常に強い台風」に耐えるための重量計算をしたいと思います。
まず一組のアレイに作用する風圧荷重を求めるためには、アレイの1㎡あたりに作用する風圧荷重を求めることが必要で、
風圧荷重は、風圧荷重(N)= 風力係数(Cw)× 速度圧(qp)× 受風面積(Aw)の計算式で求めることができるらしいです。
風力係数(Cw)= 0.71 + 0.016θ
今回、傾斜角が20°で設置予定ですので、0.71 + 0.016 × 20度の計算式から、このシステムの風力係数は1.03になりました。
速度圧(qp)= 基準風速^2(Vo^2) × 0.6 × 環境係数(E) × 用途係数(I)
速度圧を求めるためには、先に基準風速、環境係数、用途係数を求める必要がありそうです。
○基準風速とは、その地方における過去の台風の記録(最大風速)に基づき、50年に1度の大型台風を想定して国土交通大臣が定める風速のこと。 設計風速を決定する際の基準となる風速で、全国の市町村別に30m/sec~46m/secの範囲内において数値が定められています。設置場所の値は34m/sec でした。
○環境係数とは、設置環境や状況によって受ける影響を補正するための数値で、
環境係数(E) = 高さによる補正値^2(Er^2)× 風速の変動による補正値(Gf)
の計算式で求めることができるとのこと。
◉高さによる補正値Erは、Er = 1.7 ( Zb ÷ Zg )^α の計算式によって求められますが、 Zb 及び Zg、α、Gfに代入する数値は設置場所の地表面粗度区分に応じて異なってくるらしく、今回はこのカテゴリーIIに該当しそうです。
II:田畑や住宅が散在している箇所
その場合だと、Zb = 5m、Zg = 350m、α = 0.15の数値を用いることになります。
そうすると、高さによる補正値Erは、Er = 1.7 ( 5 / 350 )^0.15 = 0.85となり、風速の変動による補正値(Gf)は、カテゴリーIIの場合2.2らしいので、今回の環境係数は0.85^2 × 2.2 =1.58になりました。
○用途係数は、システムの用途によって異なってくるらしく、太陽光発電では通常は1.0が用いられるケースがほとんどとのこと。
これらの計算から、速度圧は34m^2 × 0.6 × 1.58(E)× 1.0(I)= 1095.88 Nとなります。
風圧荷重(Wp)= 1.03 × 1095.88 × 1 = 1128.75 N
↓(9.81N = 1kgf として換算するらしい)
1128.75 N ÷ 9.81 N =115.06 kgf
風速34m/sの風に耐えるためには、アレイ1㎡あたり115kgの重量が必要となりそうです。
さらに、風速44m/s以上に耐え得るには、
(44m/sec ÷ 34m/sec)^2=1.66、115kg/㎡ × 1.66 = 190.9kg/㎡
となり、190.9kg/㎡以上の重量が必要となるそうです。
今回、アレイの面積が手元にあったので計算すると
190.9㎡ ,143.5㎡でした。そうすると、それぞれ36,443kg、27,394kgが必要です。
平均的な太陽光パネルと架台の重量は20kg/㎡でらしいので、これらを差し引いた必要重量は、それぞれ36,443-(190.9×20)=32,625㎏、27,394-(143.5×20)=24,524kgとなりそうです。
コンクリート1㎥あたりの質量を2.3tとして体積を算出すると、
14.18㎥、10.66㎥が必要となりました。
これを満たしているか、確認しようと思います。
P.S.このブログを読んだ主人から連絡があり、物理の授業みたいになってるよ〜とのこと。
まぁ、私の備忘録のようなものなので、皆さまご了承ください!
他の方のブログや計算書を見てみたのですが、脚の数で割るが正解だと思います。
その場合、強度が弱ければ杭打ちと置き石を混合して対応されている方がいらっしゃいました。
自分も勉強するにあたりあってるのかな〜と思いながら、やってみました。数値化すると明確になりますよね!メールありがとうございましたとても参考になりました。
業者さんの回答を今まってるので、とういう回答くるかドキドキです。
お疲れ様です
190.9㎡ ,143.5㎡の各アレイの足の数で14.18㎥、10.66㎥を割るということでしょうか?
例えば 脚が8ケ所なら14.18㎥÷8=1.77㎥←これがサイコロ一個?
すいませんがご教授願います。
凄くタメになる記事、ありがとうございます!
以前同様に地面が固く、杭が入らない現場があり、杭の下部に
ボイド管対応したことがあったのですが、
本記事を元にざっと問題無いかチェックしてみました。
→風速44m/sだと厳しい感じでした。。
ただ、地区的にもう少し風速を下に見て良いところではあるのと、
私の現場の場合、単なる置き基礎ではなく、
置き基礎を埋め込んで、さらに埋め込んだ周りを
コンクリで固めたので、もう少し強度が出ており、大丈夫と判断出来ました。
今まで漠然と大丈夫と思っていたことが、数値としてよくわかったので、
とてもありがたいです。
後で、当時の施工写真送りますね。
ご参考まで。