第一部
「誰も見ていない管理室で」
事業をしていると、様々な人と出会います。
そして、建物を所有していると、人間模様をこれでもかというほど見ることになります。
私が所有するマンションの中で、群を抜いてトラブルが多い建物があります。
駅地下にあり、テナントも入る大型の複合マンション。
築四十年を迎え、設備も古く、漏水事故も珍しくありません。
世帯数は約130。
管理の難易度は、正直かなり高い建物です。
このマンションには、三名体制で管理人さんが勤務しています。
そのうちの一人が、六十代の女性管理人です。
このマンションで、もう十五年働いています。
長く働いているだけあり、住民のことも建物のこともよく知っています。
しかし昨日、その女性から聞いた話が少し気になりました。
「昨日は、本当に参りました。」
そう言って、少し疲れた声で話し始めました。
話を聞くと、ある住民が管理室に来て、かなり威圧的な態度で主張を繰り返したそうです。
しかも不思議なことに、そういう人は、
管理室に一人しかいない時間を狙ったかのように来る。
大きな声で話し続け、管理体制の甘いところを指摘し、
感情的な主張を繰り返す。
いわゆる「クレーマー」と呼ばれるタイプの人です。
女性管理人はこう言いました。
「心臓がバクバクして、口から飛び出しそうでした。」
動悸です。
昔は多少強く言われても平気だったそうです。
しかし最近は、そういう対応が来ると、体が強く反応してしまうそうです。
私は、その話を電話で聞いていました。
そして思い出しました。
実は私自身も、同じ経験をしたことがあります。
頭では
「大丈夫だ」
と思っていても、体が正直に反応することがあります。
人間は威圧や怒声を受けると、
交感神経が強く働き、心拍数が上がります。
これは弱さではありません。
むしろ、人間として正常な防御反応です。
私は彼女にこう伝えました。
「少しずつダメージは溜まります。
本当は休めるなら休んだ方がいいですよ。」
長く現場にいる人ほど、
自分の疲れに気づかないことがあります。
そして、もう一つ問題があります。
管理人は三人体制ですが、
時間帯によっては一人勤務になります。
本来なら仲間同士で支え合えるはずですが、
残念ながら、必ずしも相談しやすい関係ではないようです。
現場で孤立してしまう。
これが、精神的には一番きつい状況です。
私は代表理事としてできることを考えました。
しかし現実はシンプルです。
電話をすること。
会った時に話を聞くこと。
それくらいしかできません。
ですが、人間は不思議なもので、
話を聞いてもらうだけで、少し落ち着くことがあります。
昨日も、話しているうちに声が少し穏やかになりました。
管理室という小さな空間の中で、
誰にも見えないストレスが生まれている。
マンションという共同生活の裏側には、
こうした現実があるのだと改めて感じた出来事でした。
しかし、この問題にはもう一つ、
見落とされがちな「人間の心理」があります。
それは
なぜ威圧する人は、弱い状況を狙うのか。
次回は、この心理について考えてみたいと思います。
でわでわ。ほなさいなら
ーーーーーーーーーーーー
東海地区限定になりますが
除草作業承りますので
草刈り・除草剤散布のご依頼は
こちらまで
ーーーーーーーーーーーー
コメントを残す
コメントを投稿するにはログインしてください。