キャッシュは王様か?

(カテゴリ: コンサル)

国内金利上昇と生命保険会社の含み損について

国内金利の上昇(=債券価格の下落)を受け、生命保険会社が保有する日本国債の含み損が拡大していると報じられました。

日本生命保険など大手4社の合計は、昨年12月末時点で13兆2460億円。9月末から約2兆円増加したとのことです。
(引用:ブルームバーグ)


■ なぜ「安全な国債」で損が出るのか

国債は「安全資産」と言われます。
これは、満期まで保有すれば元本が償還されるという意味での安全性です。

しかし、金利が上昇すると既に発行されている国債の価格は下落します。

その結果、決算上は「評価損(含み損)」が発生します。

ここで押さえておきたいのは、

会計上の評価と、実際の資金繰りは必ずしも一致しない

という点です。

満期まで保有すれば額面で戻る債券でも、
途中の時価評価では価格が変動する。

今回の報道は、その評価額の変動を示しています。


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■ 保険会社のビジネスモデル

生命保険会社は、集めた保険料を長期で運用し、安定した利回りを確保する必要があります。

株式のように価格変動の大きい資産だけでは、
長期安定運用は難しい。

そのため、日本国債のような信用力の高い債券を多く保有しています。

金利が低い時代には価格が安定して見えましたが、
金利上昇局面では評価額が下がるという側面が表面化します。

これは、金融商品の性質上避けられない動きでもあります。


■ 金利上昇がもたらす波及効果

長期金利の上昇は、さまざまな分野に影響します。

  • 住宅ローン金利

  • 企業の借入コスト

  • 設備投資判断

  • 国の利払い費

長期金利は経済活動の基準となる指標の一つです。

そのため、金融機関の決算だけの話ではなく、
広く経済全体に波及します。


■ 政策の行方

金融政策を担うのは日本銀行です。

政策金利や国債買い入れ方針は、長期金利に大きく影響します。

また、政権の財政政策も金利動向に関係します。

現在の高市早苗政権の経済政策がどのように運営されるのかは、今後の注目点の一つです。


■ 私たちにできること

金利の動きは、個人でコントロールできるものではありません。

しかし、

  • 借入の金利条件を確認する

  • 返済計画を見直す

  • 手元流動性を確保する

といった備えは可能です。

特に金利上昇局面では、
過度なレバレッジを避け、キャッシュポジションを意識することが安定につながります。


■ まとめ

今回の報道は、国債の「信用不安」ではなく、
金利上昇に伴う評価変動の話です。

会計上の数字だけを見るのではなく、

  • 満期保有前提かどうか

  • 実際の資金繰りに影響があるのか

を分けて考えることが重要です。

金利は経済の基礎体温のような存在です。
その動きを冷静に観察しながら、自身の資産状況を整えていく。

それが今の局面での現実的な向き合い方かもしれません。

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