太陽光発電を運営している身として、最近のニュースやSNSでの「太陽光発電所付近での火災」という書き方には、正直言って強い違和感を覚えることがあります。
「火の気のない場所で火災が発生し、警察や消防が原因を調べている」
これだけ聞くと、いかにも発電設備の不具合が疑われているようなニュアンスを感じますが、現場を知る人間からすれば「ちょっと待ってくれ」と言いたくなるのが本音です。
徹底した管理が「当たり前」の世界
まず前提として、今の太陽光発電業界において、99%以上の発電所は驚くほどしっかり管理されている……はずです。
「フェンスの中に枯草がボウボウで、パワコンやパネル、コネクタに届くほど密集している」なんて状態、普通に考えればあり得ません。少なくても私の近所では全く見かけません。
なぜなら、私たちは「ちょっとのお金を惜しんで火災を招くリスク」がどれほど恐ろしいかを知っているからです。もし管理不足で火災を起こし、近隣に被害を与えようものなら、損害賠償だけでなく、事業計画の認定取り消し——つまり「一発退場」になる可能性すらあります。
数千万、数億円という投資をするような人が、除草管理や点検のコストをケチるでしょうか?
「火の気がない」は本当か?
「付近には火の気もなく」と報道されますが、本当でしょうか。
もし発電所内の設備に異常がないのであれば、疑うべきは「外部からの要因」です。例えば、心ない通行人によるタバコのポイ捨て。あるいは、いわゆる「嫌がらせ」による放火。
もし仮に、ポイ捨てが原因で発生した火災であったとしても、記事の見出しに「太陽光発電所付近で火災」とデカデカと書かれれば、世間は「やっぱり太陽光は危ない」という印象を持ってしまいます。
これは気の毒を通り越して、もはや営業妨害に近いものがあると感じてしまいます。
放置された土地、山林、廃墟への甘さ
「太陽光発電所に厳しい管理を求めるなら、他の土地はどうなんだ?」ということです。
- 荒れ果てた山林
- 管理が放棄され、枯草とゴミにまみれた空き地
- いつ崩れてもおかしくない廃墟
こうした場所に対しても、太陽光発電所と同じレベルの「管理義務」や「罰則付きの制度設計」がなされているでしょうか。
現状、太陽光発電所はフェンスの設置から除草、標識の掲示まで細かくルール化されています。しかし、そのすぐ隣にある管理放棄された土地が「火薬庫」のような状態であっても、お咎めなしというケースが多すぎます。
公平な議論を求めたい
「太陽光発電所=環境破壊、危険」というバイアスを持って記事を書くのではなく、土地管理という大きな枠組みで議論してほしい。
発電所に管理の圧をかけるのであれば、同じように地域のリスクとなっている放置土地に対しても、しっかりとしたメスを入れるべきではないでしょうか。
安全な社会を作るというのは、特定の対象を叩くことではなく、全体の水準を上げることのはずです。
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