固定資産税の通知。
毎年春になると届く、固定資産税の納税通知書。中身を開けて、合計金額だけ確認して、スマホで支払い、仕訳帳に記入する——そんな習慣が、今年は途中で止まった。
なんとなく、明細をちゃんと読んでみようと思ったのだ。特に理由はない。強いて言えば、気まぐれ。
一行ずつ目で追っていくと、あれ、と思う箇所があった。確かにおかしい。自分の記憶と、紙の上の書かれた内容が、どうにも合わない。
不動産の素人である自分には、正直なところ「絶対に間違いだ」と断言できる自信はなかった。複雑な計算式があって、自分の知らない係数でも掛かっているのかもしれない。でも、気になったまま放置するのも気持ちが悪い。
役所に問い合わせてみることにした。
窓口の担当者は丁寧だった。こちらの話を聞いてくれて、その場で確認し、再計算した明細を郵送してもらえることになった。
訂正された金額は、劇的な差というわけではないだろう。一年分だけ見れば、「まあそんなもんか」と思えるくらいの額かもしれない。
でも、固定資産税というのは、一年払えば終わりじゃない。
土地や建物を持ち続ける限り、毎年かかり続ける税金だ。10年、20年、状況によってはそれ以上の期間、同じ明細をもとに請求が来る可能性がある。
誤った金額が「正しいもの」として記録に残れば、誰も疑わない。自分が黙っていれば、そのままずっとそれが続いたはずだ。役所が自発的に気づいて連絡してくれる、なんてことは、まず期待できない。
声を上げなければ、何も変わらなかった。
大げさな話をしているつもりはない。
ただ、こういう書類を「なんとなく流す」クセが自分にはあったな、と気づいた。金額だけ確認して、細かいところは見ない。面倒だし、どうせ合っているだろうと思って。
でも、合っていないことは、ある。
確認するのは、数分のことだ。それで何年分かの余計な支払いが防げるなら、悪い取引ではないと思う。
封筒を、今年は少し丁寧に開けようと思う。
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