【被害3.1億円】茨城・坂東の銅線窃盗はなぜ止まらない? 248件の衝撃と「今すぐやるべき」防犯対策を徹底解説
「また茨城で銅線盗難か…」
ニュースを見て、そうため息をついた方も多いのではないでしょうか。
先日、茨城県坂東市を拠点とするグループの男が逮捕されましたが、その余罪はなんと248件。被害総額は約3.1億円に上ると報じられています。これだけの規模で行われているということは、私たちの身近な場所――農地のポンプ、太陽光発電所、あるいは家のエアコン室外機までもが、常に狙われていることを意味します。
この記事では、今回の事件から見えてくる*窃盗団の恐るべき手口」と、警察任せにせず「自分たちの資産を守るために、今すぐできる現実的な自衛策」を、防犯の観点から深掘りして解説します。
1. 事件の衝撃:248件、3.1億円という数字が意味すること
報道によると、今回摘発されたのは茨城県坂東市での事件。逮捕されたタイ国籍の男を含むグループは、北関東を中心に荒らし回っていたと見られています。
ここで注目すべきは「248件」という異常な数字です。
単純計算でも、ほぼ毎日のように県内のどこかでケーブルが切断され、持ち去られていたことになります。
- 被害対象:太陽光発電所、農業用給水ポンプ、工場の設備、インフラ施設など
- 影響:単なる「物の被害」に留まらず、電力供給の停止や農作物の枯死など、地域経済への二次被害が甚大です。
「うちは普通の家だから関係ない」は大間違い。エアコンの室外機や給湯器の配管など、銅が使われている場所はすべてターゲットになり得ます。
2. なぜ逮捕されても事件は続くのか?「トカゲの尻尾切り」の構造
多くの人が抱く疑問、「犯人が捕まったのに、なぜ盗難が止まらないのか?」。
その答えは、彼らが極めて高度に組織化された**「分業制」**を敷いている点にあります。
窃盗団の役割分担(イメージ)
| 役割 | 内容 | 逮捕リスク |
| 指示役 | 犯行現場の選定、売却ルートの確保、海外との連絡 | 低 |
| 解体・運搬役 | 盗品(ヤード)へ運び込み、被覆を剥がして「ただの銅」にする | 中 |
| 実行役 | 現場で実際に切断・盗難を行う(今回逮捕された層) | 高 |
今回逮捕されたのは、現場で動く「実行役」である可能性が高いです。組織にとっては、実行役は使い捨ての駒に過ぎません。指示役や、盗品を金に変える「闇の換金ルート(ヤード)」が存在し続ける限り、新たな実行役が補充され、犯行は繰り返されます。
これが、イタチごっこの正体です。
3. なぜ茨城が狙われる?3つの背景要因
被害が止まらない背景には、複合的な要因があります。
- 銅価格の高騰(資産価値の上昇)世界的な資源高により、銅は「置いてある現金」と同じ状態です。リスクを冒してでも盗む動機が十分にあります。
- 地理的要因(逃げやすさと隠れやすさ)茨城県は平地が多く、幹線道路網が発達しているため、犯行後の逃走が容易です。また、人目につきにくい郊外の太陽光発電所や農地が多く、犯行現場として選定されやすい特徴があります。
- コミュニティの希薄化「知らない車が停まっていても気にしない」という地域の隙が、犯行グループの下見を容易にしています。
4. 【実務編】今日からできる!プロが推奨する「泥棒が嫌がる」対策
では、どうすれば被害を防げるのか。精神論ではなく、物理的に犯行を諦めさせる対策が必要です。泥棒が嫌がるのは**「音」「光」「人の目」「時間(手間)」**の4つです。
家庭・小規模事業者向け
- センサーライトの「死角」設置玄関だけでなく、家の裏手や勝手口、室外機周辺に設置してください。
- 防犯砂利を敷く(音の防御)歩くと大きな音がする防犯砂利は、隠密に行動したい窃盗犯にとって脅威です。
- エアコン室外機のガード盗難防止用のボルトや、簡易的な柵を設置するだけでも「面倒くさい」と思わせる効果があります。
事業者・農家・太陽光発電所向け
- 防犯カメラは「見せる」隠し撮りではなく、目立つ位置に設置し「監視しているぞ」と威嚇することが重要です。クラウド保存型なら、カメラを破壊されても映像が残ります。
- 物理的な遮断(金属盗対策)ケーブル導管のコンクリート埋設や、金属製の強固なカバー設置。切断に5分以上かかると判断されれば、犯行を諦める確率は跳ね上がります。
- 振動センサー・赤外線センサー敷地内への侵入を検知し、即座にスマートフォンへ通知が来るシステムの導入。
5. 結論:警察任せにせず「地域の目」で対抗する
3.1億円という被害額は、茨城県民の資産がそれだけ奪われたことを意味します。
正直なところ、警察のパトロール強化だけでは限界があります。広大な北関東のすべての電線を24時間守ることは不可能です。
私たちにできる最強の防犯は、「不審な車や人物を見かけたら、すぐに110番通報する」という地域の連携です。
「見慣れないトラックが農道の脇に停まっている」「夜中に工事のような音がする」といった些細な違和感が、犯行グループ検挙の糸口になります。
「ここは防犯意識が高い地域だ」と犯人に思わせること。
それが、次の被害者を出さないための、最も現実的で強力なバリケードになります。
参考資料
- 茨城県警察本部 事件発表資料
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