太陽光発電の保険「免責100万円」時代の衝撃|低圧事業者はどう生き抜くべきか?

(カテゴリ: 保険)

保険の更新案内が届いた時、思わず二度見しました。「免責:一律100万円」。

え、これ、うちの低圧に適用される条件ですよね? と。

同じような経験をした方、いませんか。あの封筒を開けた瞬間の、なんとも言えない「え、マジで?」という感覚。今回はその感覚が正しいのかどうか、一緒に考えてみたいと思います。

 

太陽光発電所のパネルが破損した様子

これ、正直に言います。低圧の「よくある被害」はほぼ全部、対象外です

パネルが数枚割れた。落雷でパワコンが1台やられた。強風でフェンスが曲がった。——これ、どれも低圧あるあるじゃないですか。修理費、だいたい数万〜50万円の範囲に収まることがほとんどですよね。

免責100万円って、要するに「100万円以下の被害は1円も出ない」ということです。つまり、上に挙げたトラブルは、ぜんぶ自腹になります。

じゃあ保険が機能するのはいつかというと、台風でパネルが根こそぎ全滅した時とか、火災で設備が焼失した時とか、そういう「廃業寸前レベルの被害」が出た時だけなんですよね。要は「日常トラブルは知らん、壊滅した時だけ助けてやる」という保険に、これまでと同じ、あるいはそれ以上の保険料を払い続けるということです。

 

「なら保険料下げろよ」と思いますよね。下げない理由が、また腹立たしいんです

補償範囲をこれだけ絞ったなら、普通は保険料が安くなるはずです。でも現実はそうなっていない。そこには保険会社側の「強気な事情」が見え隠れします。

  • 過去の損失の回収フェーズ: 過去の大型台風・豪雨で支払いすぎた分を、今このタイミングで業界全体として回収しようとしている。
  • 「足元を見ている」構造: 融資の条件として保険加入が必須である事業者は、高くても外せません。保険会社もそれを分かっていて金額を設定している節があります。
  • 加入者減少による悪循環: 高くなる→人が減る→残った人でリスクを支えるためさらに高くなる。この負の螺旋は、保険会社が市場から撤退するまで続くかもしれません。

まさに「入りたければ入ってもいいぞ」という殿様商売。穏やかじゃない表現ですが、現実としてそう読めてしまうんですよね。

 

完済済みオーナーへの提案:「火災保険、外す」という選択肢

これはリスクを伴う「賭け」ですが、残念ながら検討に値する選択肢になりそうです。

もしあなたが銀行への返済を終えている(または自己資金で運用している)なら、保険の構成を根本から変えることができます。

具体的には、「火災保険本体(財物補償)を外して、賠償責任保険と利益保険だけ残す」という戦略です。

保険の種類 何をカバーするか 判断
賠償責任保険 他人の車を傷つけた、火災が隣地に延焼した等の「他者への損害」 絶対に残す
利益保険 災害等で発電が止まっている間の売電収入損失 基本的に残す
火災保険本体 パネル・パワコンなどの設備そのものの修繕費 外す検討の余地あり

賠償責任は、個人の財布では到底カバーできない額になる可能性があるため死守すべきです。

一方で火災保険本体はどうでしょう。免責100万円がある以上、100万円未満の修繕はどうせ自腹です。だったら、毎年「消えていく」高い保険料を払う代わりに、その分を修繕用の口座に積み立てて「自家保険」とする方が、実態に合っていませんか?

 

「保険に入っていれば安心」という思い込みを手放す時期

これから先、保険料のさらなる値上げや、引受拒否も十分に予想されます。その時に慌てないために、今から手を打っておけることがあります。

  1. 物理的な損害を未然に防ぐ: 架台の増し締め、排水対策、防犯対策。これが最大の「保険」です。
  2. 自己資金のプーリング: 保険料として払うはずだったお金を、修繕積立金として管理する。
  3. 情報収集: 大手損保以外の少額短期保険や、業界団体の共済的な仕組みの動向を追う。

免責100万円というのは、保険会社が「小さいリスクはもう引き受けない」と宣言したようなものです。ならばこちらも「小さいリスクは自分で管理する」と戦略を変えるのが、事業者として筋の通った応答だと言えるでしょう。

 

おわりに

保険の更新案内が来るたびに「高いな」と思いながら、なんとなく続けてきた人は多いと思います。でも今回の「免責100万円」という条件は、その惰性を一度立ち止まって考え直す、ちょうどいいタイミングかもしれません。

言われるがまま更新するのか、自分の発電所の実態に合わせて組み直すのか。

保険とは「お守り」ではなく、コストとリターンで判断する経営の意思決定です。「免責100万円」という条件が私たちに突きつけているのは、実はシンプルなメッセージでした——「あとは自分の頭で考えろ」と。

 

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