海外通販でサーモカメラを買ったら、玄関先で現金を請求された話

(カテゴリ: 申告 手続き 税金)

荷物が届いた。

追跡番号で確認していたし、来るのはわかっていた。でも、配達員から手渡された封筒に、ちょっと面食らった。

「課税通知書等在中」

そう書かれたシールが、伝票の横に貼ってある。配達員から「こちら、関税がかかっておりまして……」と言われ、その場で現金を支払うことになった。

初めての経験だった。そして封筒の中を開けてみると、さらに面食らうことになる。

海外通販で課税通知書在中と貼り付けされたダンボールを玄関先で受け取


封筒の中身が、なかなか物々しい

入っていたのは2枚の書類だ。

ひとつは「国際郵便物課税通知書」。税関が発行する正式な書類で、課税された金額や計算の根拠が記載されている。

そしてもうひとつが、「不服申し立て等について」という書類。

これが初見だと、なかなかインパクトがある。「不服申し立て」なんて言葉、普段の生活ではまず目にしない。荷物を受け取った喜びも束の間、なんだか行政処分でも受けたような気分になってくる。

でも、落ち着いて読んでみると、内容は至ってシンプルだ。「課税額に納得できない場合は、異議を申し立てる権利がありますよ」という案内に過ぎない。税関の課税処分は行政処分のひとつなので、法律上、こういった説明を添付する義務があるらしい。

つまり、脅しでも警告でもなく、あなたの権利を説明している書類だ。知らないと焦るが、知ってしまえば「そういうものか」で済む話である。


そもそも、これ何の税金なの?

海外から物を買って輸入すると、関税と消費税がかかる場合がある。

日本では、個人輸入の場合、購入金額が16,666円を超えると課税対象になる(正確には課税価格が1万円を超えると課税される仕組みで、商品価格の60%が課税価格とみなされるケースが多い)。

安い小物なら素通りでも、ある程度の金額になると税関でしっかり止められる。サーモカメラのような機材は価格帯的に引っかかりやすく、今回まさにそのパターンだった。


なぜ玄関先で現金を払うことになるのか

税関で課税が決まった荷物は、通関業者(多くの場合、配送業者が兼ねている)が一時的に立て替えて税金を支払い、受け取り主に届けてくれる。

その立替分を、配達時に回収する、という流れだ。

だから、荷物と一緒に課税通知書が届いて、その場で現金を求められる。クレジットカードが使えるかどうかは業者によるが、基本的には現金払いを求められることが多い

知らないと本当に焦る。でも、仕組みがわかれば腑に落ちる。


いくら取られるの?

税額は商品によって異なるが、大まかな目安として。

関税は品目ごとに税率が決まっていて、サーモカメラのような光学機器はおおむね無税〜数%程度のことが多い。ただし消費税(10%)は別途かかる。

計算のベースになるのは「課税価格」で、商品代金+送料の合計額をもとに算出される。金額は数百円〜数千円になることもあれば、高額商品なら1万円を超えることもある。残念ながら、荷物が届くまで正確な金額はわからないことがほとんどだ。


「不服申し立て」って、実際どうするの?

では、課税額に納得できなかった場合、本当に異議を申し立てることはできるのか。

できる。ただし、現実的にはハードルが低くはない。

申し立てができる主なケースとしては、課税価格の計算が明らかに間違っている場合や、関税率の適用が誤っている場合などだ。たとえば、送料込みの金額で計算されるべきところが、商品代金だけで計算されていたり、品目の分類が違っていたりするケースが該当することがある。

手続きとしては、通知書に記載された期限内に税関に申し出ることになる。ただ、数百円〜数千円の差額のために申し立てを行うのは、手間と見合わないことも多い。金額が大きい場合や、明確な誤りがあると確信できる場合に検討するのが現実的だろう。


事業で使う場合の仕訳はどうなる?

ここからは、個人事業主や法人として購入した場合の話だ。

海外通販で業務用の機材を購入したとき、支払った関税や通関料はどう仕訳すればいいのか。自分でも調べてみたので、参考までにまとめておく。

ネットで調べた情報によると、輸入にかかった経費は消耗品の取得原価に含めるか、費用科目に分けて計上する方法があるようだ。

一般的な仕訳例としては、以下のような形になる。

例:消耗品代30,000円、通関料200円、関税1,400円を支払った場合

借方科目 金額 貸方科目 金額
消耗品費 30,000円 現金預金 31,600円
支払手数料(通関料) 200円
租税公課(関税) 1,400円

ひとつ注意が必要なのが消費税の区分だ。通関料は消費税の課税対象だが、関税は課税対象外になる。会計ソフトに入力する際は、この税区分を間違えないようにしたい。

ただし、これはあくまで自分が調べた範囲の参考情報だ。業種や状況によって処理が異なる場合もあるので、正式な判断は顧問税理士や税務署に確認することをおすすめしたい。


予め知っておくべき対処法

① 海外通販をするなら、現金を手元に用意しておく

金額は読めないが、「課税されるかもしれない」と思っておくだけで心構えが違う。特に1万円を超えるような買い物のときは、念のため数千円の現金を準備しておくと安心だ。

② 追跡ステータスで「通関中」が出たら準備のサイン

「税関通過」や「通関中」のステータスが出たら、課税される可能性がある。そのタイミングで現金を用意しておくと慌てずに済む。

③ 不在だった場合は焦らず再配達を

不在票に従って再配達か営業所受け取りを選べばいい。支払いは受け取り時でOKなので、慌てて飛び出す必要はない。

④ 書類は必ず保管しておく

課税通知書も不服申し立ての書類も、受け取ったらとりあえず取っておこう。経費処理が必要な場合や、後から金額に疑問が生じた場合に必要になる。捨てるのは内容を確認してからで十分だ。


知ってるか知らないかで、全然違う

今回の経験で正直に思ったのは、「これ、知らない人はかなり困るな」ということだ。

荷物が来て喜んでいたら、玄関先で現金を求められる。封筒を開けたら「不服申し立て」という物々しい言葉が飛び込んでくる。仕訳の処理まで考えると、なかなか一筋縄ではいかない。

でも、ひとつひとつ紐解いてみれば、どれも理にかなった話だ。海外から荷物を運んでもらい、税金を立て替えてもらい、権利の説明まで受けている。そう考えると、むしろ丁寧な対応とも言える。

次に海外から荷物を頼むときは、この話を思い出してほしい。玄関先で慌てずに済むはずだ。


参考情報

※本記事の仕訳例は一般的な参考情報として掲載しています。実際の会計処理については、顧問税理士または税務署にご確認ください。

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