防草シート施工に行ったら今年最後の草刈りが始まった話 ノアザミとホトケノザはどんな植物? 冬越し 駆除方法
太陽光発電所や畑の管理をしていると、季節ごとに「なんだこの雑草は?」と驚かされることがあります。
氷点下になる冬でも元気です。
ノアザミ(トゲのある大型雑草)
ホトケノザ(冬でも元気な小型雑草)
の2種類。
どちらもよく見る雑草ですが、
「冬でも元気すぎでは?」
「除草剤は効く?」
「刈り払い機で刈れば枯れる?」
——このあたりは意外と知られていません。
この記事では、現場で実際に雑草管理に携わる立場から、
“余計なコストをかけずに賢く管理するための知識”
を分かりやすくまとめます。
■ ノアザミ(野アザミ)とは
1. 特徴
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葉に鋭いトゲがある
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初夏〜夏に紫色の花を咲かせる
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地中に太い根(直根)が伸びる
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一度生えると毎年同じ場所に出る
ノアザミは 日本在来のアザミ で、外来のメリケントキンアザミよりは柔らかい印象ですが、それでもトゲは強烈。
畑の作業中や草刈りで刺さるとかなり痛い部類の雑草です。
■ ホトケノザとは
1. 特徴
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高さ10〜25cmの小型雑草
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春にピンクの花をつける
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畑、空き地、太陽光発電所などどこでも生える
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とにかく繁殖スピードが速い
「春の七草」に登場する“ホトケノザ”とは別種で、こちらは俗に“雑草ホトケノザ”と呼ばれるもの。
寒さに非常に強く、 真冬でも緑の状態で生育 します。
て、天然のグランドカバー!
一瞬ミントっぽく見えてしまいましたので
ミントテロ始まった!?
と、思わなくもないのですが、同じシソ科ですのでこれで合ってそうです。
■ 冬になるとどうなる?
● ノアザミ
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地上部は茶色く枯れたように見える
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しかし根は生きており、春に再び芽を出す
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冬に抜こうとしても根が深くて折れやすい
→ 見た目が枯れていても“死んでない”ので注意
● ホトケノザ
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冬でも青々としている
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低温に強いため活動を完全には止めない
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年末〜2月でも普通に広がる
→ 冬だから枯れる…とはならない強敵
■ 除草剤は効くのか?
● ノアザミ
結論:効くが、適切なタイミングと種類が必要
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グリホサート(いわゆるラウンドアップ系)は根まで枯らせる
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ただし春〜初夏の“成長が活発な時期”でないと効きが弱い
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冬は効果が落ちる
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1回で枯れないこともあるのでリピート前提
→ 冬に撒いても効果が薄いので 春〜初夏がベスト。
● ホトケノザ
結論:グリホサートでほぼ確実に枯れる
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冬でも効きやすい
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浅根の雑草なので効果が出るのも早い
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数日でしんなり→10日ほどで枯死する
→ 冬〜早春でも駆除しやすい雑草。
■ 刈り払い機で刈れば枯れる?
● ノアザミ
→ 枯れません。むしろさらに太く育つことも。
刃を通すと切り株から新芽が出るため、
「前より増えた気がする…」という現象がよく起きます。
ノアザミは根から枯らすことがポイント。
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草刈りは開花前の“応急処置”としては有効
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ただし根は残るので翌年また生える
● ホトケノザ
→ 表面が刈れるだけで、またすぐ生える
地面を覆うように広がるタイプの雑草なので、
刈り払い機だけでは根は残ったまま。
数週間もすれば元通りになります。
■ 実際のおすすめ対策(コストも考慮)
▼ ノアザミ
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春〜初夏にグリホサート散布(最重要)
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大株化する前に早期発見・早期駆除
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トゲ対策で革手袋必須
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芯(茎)を深く切りすぎない(再生しやすい)
※除草剤が一番“楽で確実”
▼ ホトケノザ
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冬〜早春のうちに除草剤を撒く
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生え始めの段階で早期対応
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刈り払い機は“見た目を整えるだけ”と割り切る
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土壌を裸にすると一気に繁殖するので注意
■ まとめ
ノアザミもホトケノザも、
「見た目が弱そうだから大丈夫だろう」
と思って軽視すると、翌年には確実に広がる雑草です。
特にノアザミはトゲも強烈で、根もしぶとい。
ホトケノザは冬でも育ち、気付くと一面を覆います。
正直ホトケノザは放置で良いと思うのですが(隣地まで侵食する勢いの場合は除く
問題はノアザミです。
秋の草刈りは行わず、除草剤で一網打尽にするものもありかもしれません。
■ 参考資料・出典一覧
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農研機構「雑草データベース」
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環境省外来生物データ
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JA・除草剤メーカー公開資料(適用雑草・生育特性)
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