出光興産が徳島県小松島市で、国内最大級の営農型太陽光発電所(ソーラーシェアリング)の稼働を開始したというニュースが入ってきました。
内容を詳しく見ていくと、これまでの「ついでに発電する」というレベルを遥かに超えた、極めて攻めたスペックに驚かされます。今回はこのプロジェクトについて、期待と、田舎民からこその「ちょっと気になる点」をまとめてみました。
圧巻のスペック:3.8mの架台と可動式両面パネル
まず目を引くのが、その構造です。架台の高さが3.8m。これはちょっとした2階建てに近い高さです。これだけの高さがあれば、大型のトラクターやコンバインでも余裕を持って作業ができるでしょう。
さらに驚くべきは、「太陽を追いかける可動式架台」×「両面受光型パネル」の組み合わせ。 太陽の動きに合わせてパネルが自動で首を振ることで、発電効率を最大化しつつ、稲の生育期には日射を優先的に下に落とす制御を行うとのこと。
このシステム、国内最高レベルの発電量を叩き出すポテンシャルを感じます。まさに「農業とエネルギーの二刀流」の理想形に近い形と言えるかもしれません。
気になる「10年後の圃場」
一方で、田舎民としては、いくつか現実的な懸念も頭をよぎります。
杭周りの腐食と地盤の安定性
水田という特性上、1年の半分近い期間、架台の杭は水に浸かることになります。当然、防錆処理などは完璧になされているはずですが、長期にわたる「浸水と乾燥」の繰り返しが、土壌や杭の強度にどう影響するのか。このあたりのメンテナンス計画は非常に気になるところです。
(相当深く打ち込んでいるだろうし)
(写真見る限り杭周りを何かで覆ったりはしてはしてなさそうだし)
「代掻き」による平坦化の難易度
水稲で最も面倒な神経を使う作業の一つが「代掻き」と、それに伴う「圃場の平坦化」です。 最初は問題なくても、10年、20年と続けていくうちに、どうしても圃場には高低差が出てきます。
その際、等間隔に打ち込まれた「杭」が大きな障害になるはずです。 大型機械で一気に均したくても、杭があることで調整が難しくなり、結果として水管理に苦労するエリアが出てこないか……。
これは長く営農を続ける上で、かなり大きな課題にならないのでしょうか?
最新のレーザーレベラーとかがあれば問題無いのかな?
ハイテク機械の投入と未来への期待
これだけの巨額コストを投じたプロジェクトですから、おそらく「従来のやり方」以上の何かを用意しているはずです。
例えば、ミリ単位で位置を補正できるGNSS(自動運転作業機械)の導入。 杭の位置を完璧に把握した自動運転トラクターであれば、障害物があっても精密な作業が可能です。また、3.8mという高さがあれば、大型ドローンによる農薬散布や追肥も出来そう。もしかすると、ここは日本で最も「スマート農業」が進んだ聖地の一つになるのかもしれません。
2.8haの巨大な「一枚田」という羨望
そして、個人的に一番「マジか!」と声を上げたのが、その広さです。 1つの圃場で2.8ha(280m×100m)。
この規模の「一枚田」は、羨ましすぎて溜息が出るレベルです。これだけ広ければ効率も最高でしょうし、ソーラーシェアリングをやる上でもスケールメリットが活かせます。
ごりごりの高馬力のコンバインとかで爆速刈取り動画とか映えそうですね!(羨望)
この一枚だけで余裕で暮らしていけそうですね!(所得0民)
当然これらの懸念などプロ農家が考えないはずはありませんので、そういった点を払しょくできる圃場を選択したのだと思われます。
この「出光徳島営農型太陽光発電所」が、農業の収益性と脱炭素を両立させる先駆的なモデルケースとして成功することを切に願っています。10年後の田んぼがどうなっているか、その経過もぜひ追いかけてみたいですね。
太陽光パネルの角度を自動制御する国内最大級の営農型太陽光発電所が 徳島県小松島市で稼働開始 地域共生型モデルで、カーボンニュートラルと持続可能な農業への貢献を同時に実現 出光興産株式会社プレリリースより
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