年末年始の卸売市場JEPXの価格高騰で、
新電力が青色吐息なのは、周知のことだと思います。
ネットのコメント見ていると、
JEPX価格に依存してた新電力の自己責任論
が強いですね。
気持ちとして、わからなくも無いのですが、
「発電事業者と新電力間で、受給の同意が得られている
FIT発電所の電気の扱い」
については、私は全く違う考えを持っています。
「再生可能エネルギー等に関する規制等の
総点検タスクフォースタスクホース」
が開催されたようで、先ほどその会議で出た提言を見ました。
「発電事業者と新電力間で、受給の同意が得られている
FIT発電所の電気の扱い」
についても記載がありましたので、
自分の意見も織り交ぜながら、まとめてみました。
〇現状ルール:
・送配電事業者が発電事業者から。一旦、FIT価格で買い取り
・送配電事業者が新電力にJEPX価格で売り、
・JEPX価格<FIT価格の場合の損失を、交付金で補填
〇年末年始、JEPX価格が高騰して起きたこと:
・新電力は仕入額が大幅に上がって、出費大幅増
・送配電事業者は、仕入固定のまま販売額が上がってウハウハ
〇問題点:
JEPX価格<FIT価格の場合、送配電事業者への損失補填がされるのに、
JEPX価格>FIT価格の場合、送配電事業者が貯めこんでしまうこと。
〇タスクフォースの提言:
新電力等への緊急支援:
・FIT買取価格をその上限として設定する。
この上限価格を 12 月 20 日頃まで遡及的に適用し、
一般送配電事業者に対し、
想定外の差益を小売事業者に還元させる。
市場制度の再設計:
・(新電力と握れていないFIT発電所全てに対しても)、
JEPX価格が FIT価格を上回る場合には、
それによる差益を低炭素投資促進機構(GIO)に還元させる。
この措置を、12 月 20 日頃まで遡及的に適用する。
〇提言に対する私の感想:
JEPX価格<FIT価格の場合、損失補填されるのに、
その逆の時にウハウハは許されるべきでは無いので、
送配電事業者から儲かった場合、供出させるのは、
至極当然だと思います。
遡及的に適用するかどうかは、議論の余地はあると思いますが、
損失補填の原資が、利用者が広くあまねく負担している
再エネ課徴金から来ていることを考えると、
そういう提言になっても仕方ないかな。。
ただ、本質的に現行ルールに問題があったとしても、
法の訴求的適用は本当に良いのか、
という点は引っ掛かりますね。
あと、返し先がGIOではなく、新電力で良いのかっていう
とこでしょうか。
これは、「正しい正しくない議論」とは別の、
これを訴求して原資にし、新電力に向けないと、
新電力救済策が打てないという、
「ない袖は振れぬ議論」から来ている気もします。
〇提言以外に対する私が考える問題点と対応策
・売主と買主が、双方の合意の元、配送する商材を、
わざわざ流通会社が、売主から買い取り、買主に販売する現行ルール
は違和感がある
(宅配業者が、送り主からいったん物を買い取り、
送り先に販売するのって変ですよね)
・自然エネルギー志向、脱原発志向の消費者を意識して、
手間暇かけて発電所を開拓営業しての仕入と、
それ以外の卸売市場に流れている仕入材を一緒くたにしている
<対応策>
・買取は、送配電事業者ではなく、新電力会社が行う
※卸売契約ではなく小売契約に変更
・送配電事業者は託送料を受け取る
というのが正しい姿だと思います。
結果的に、救済策と同じ、原則FIT価格が上限の仕入になります。
新電力間で競争が働き、FIT価格が低い発電所に、FIT価格を超える
金額を提示する新電力が現れる可能性が高いです。
追記:そう考えると今回の救済策は、
本来は、卸売契約でなく小売契約にすべきだったが、
契約を巻き戻せないため、代替案なのだと思います。
参考になれば幸いです。
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