昨日の続き
【経産省がさ入れ?対応】架台の後付け補強手段として特殊な杭の評価を開始しましたーその1
〇杭での強化の可能性判定のざっくりとした考え方
重量で対応(≒重いコンクリート基礎を付ける)の場合、
所定の風速のあおり風がアレイに当たった場合、
これに対抗するのに何トンかの重量が必要です。
今回の発電所のアレイの1つは、25~30トンとか。
これを杭で代替出来るかどうかの検討付けとしては、
仮に、杭1本で500kg引抜強度があれば、
25~30トン ÷ 500kg = 50~60本必要
という感じで、あたりが付きます。
もちろん、厳密には違います。
構造計算値を見ればわかるのですが、
25トンが地面に刺さっている多くの単管に
あおり風による荷重が均等にかかるわけでは無い
からです。
前置きが長くなりましたが、上の例における
・500kgに相当する値がいくつか
・そもそも特殊な杭を地面に打ち込めるのか
(地面の固さ、道具、技量etc)
を評価します。
〇道具の紹介
・特殊な杭:くい丸
・電動打ち込み機
・支持力チェックキット
・発電機
・(アレイと特殊な杭を接続する金具 色々持ってきて頂けました)
:施工性評価で使用
〇現場作業
引抜強度測定用に4本杭打ちをしました。
採用する引抜強度は、打ち込み後数日経過した後の引抜試験の
値を採用しますが、
おおよその値を把握するため、うち2本はその場で引抜試験を行い、
改めて別の場所に杭を打ち直しました。
地盤が非常に固く、電動打ち込み機を使っても、想定していた長さ
80cm以上打ち込むことは困難な場合もありました。
ただ、想定していた長さを打ち込めなくても、地盤が固いためか、
打ち手として継続検討だけの強度は計測できました。
計測結果①
50cm程度の打ち込み、しかも、数値が出にくい
打ち込んだばかりでも600kg/本程度出ました。
計測結果②
80cm程度打ち込めたところは、数値が出にくい
打ち込んだばかりでも、1.2トン/本程度出ました。
これらの計測結果と、アレイの形状を照合してみます。
このアレイの地面との接合点の数は、18×3=54本です。
仮に54本全て1本ずつくい丸で補強した場合、
さっくり概算でのあおり風対応、コンクリート換算重さは
不幸にして、全ての杭が50cm程度しか
地面に打ち込めなかったとしても、
600kg×54=32.4トン > 25~30トン
となり、くい丸での補強対応は可能という結果となりました。
仮に80cm程度打てる場合は、1.2トン/本程度も
出ることを考えると、
25~30トン ÷ 1.2トン/本 = 20.8~25本
となり、僅か25本程度の杭で補強が可能という概算になります。
またまた長くなってしまいましたので、
その3に続きます。
その3では、アレイとの接続方法とその難易度について、記す予定です。
<重要>
この手の作業は横で見ているのではなく、自身でやるべきです。
理由:
自分で本格対応をする場合
⇒手順を覚える必要がある
業者さんに本格対応を発注する場合
⇒見積を査定するには、難易度を具体的に把握する必要がある
作業の改善を共に考えるには、頭では無くカラダで作業を
把握する必要がある
業者さんとパートナーとして共に歩む場合は、
同じことをすることで仲間意識を持ってもらえる
参考になれば幸いです。
kozoさん
コメありがとうございます
そうですね、、測定は外注しないと思うのですが、
杭打ちとアレイとの接続は外注する可能性の高い作業内容ですよね。
杭打ちの工数は道具の使い勝手と地面にどれだけスムーズに入っていくかがカギですが、
現地の地質や、採用する杭のサイズ(直径、長さ)に依りますので、
これはホントやってみないとわからないと思います。
本採用となった場合は、油圧の杭打機も試してみたいと思います。
少々レンタル費が高くても、工数並びに部材削減(深く入ると本数も作業数も減る)
で元が取れる可能性が高いので。
お疲れ様です。
確かにこれは自分でテストしないと理解できないと思います。このブログ熟読した後に「じゃあ、やってみて」と言われてもムリですよね。