鴨川メガソーラーのFIT認定失効が投げかける、高単価「未稼働案件」の末路

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鴨川メガソーラーのFIT認定失効が投げかける、高単価「未稼働案件」の末路

千葉県鴨川市で進められていた大規模太陽光発電(メガソーラー)計画。2014年に取得した「1kWhあたり36円」という、今では考えられないほど高額な買取単価が、ついに国によって取り消されました。

このニュース、単なる一事業者の失敗では済まされない「再エネ投資の厳しい現実」が詰まっています。

 

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36円案件がなぜ「期間短縮」ではなく「失効」したのか

通常、運転開始期限に間に合わなかった案件は「20年という買取期間が月単位で削られていく(未稼働期間を差し引く)」というペナルティを受けつつも、売電自体は可能になるケースが多いです。

しかし、今回の鴨川案件が「失効(さかのぼって取り消し)」となったのには、さらに深刻な理由があります。

  • 運転開始期限のデッドライン: 2017年の改正FIT法により、未稼働案件には厳しい期限が設定されました。この案件の最終期限は2023年3月末。
  • 手続きの不備: 事業者は期限延長の手続きを行っていましたが、電力会社への接続契約にまつわる手続き等に不備があったとされています。
  • 行政の判断: 「期限内に稼働できなかった正当な理由」が認められず、法的に認定を維持する根拠を失ったため、2023年3月に遡って失効という重い判断が下されました。

つまり、「売電期間が短くなる」というフェーズすら通り越し、「制度そのものから退場」を命じられたことになります。

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残り期間で売電しても「利益が出ない」というジレンマ

もし仮に、失効せずに今から稼働できたとしましょう。2014年認定なら、2034年頃が期限。2026年稼働なら残り8年前後です。

  • 36円(高単価)× 8年
  • 現在の新単価(約10円前後)× 20年

これらを天秤にかければ、投資回収の計算が狂うのは明白です。特にメガソーラーは、造成費や架台、パネル、さらには周辺住民への対策費など、膨大な初期コストがかかっています。36円の20年間という収益モデルを前提に資金を借り入れていれば、期間が半分以下になった時点で、その事業は「死に体」に近い状態だったと推測できます。

未稼働案件・低圧「削り案件」に潜むリスク

現在も投資市場には、FIT期間が18年や17年に削られている「未稼働・中古案件」が掲載されています。表面上の利回りは高く見えるかもしれませんが、今回の鴨川の例は、それらが抱えるリスクを浮き彫りにしました。

  1. 許認可の脆弱性: 長期間稼働していないということは、林地開発や地元住民との同意など、何らかの「進められない理由」があるはずです。
  2. 制度変更への対応: 2026年現在、再エネ制度は年々厳格化されています。数年前の常識が通用せず、ある日突然「認定取り消し」のリスクに直面する可能性があります。

 

未来予測:太陽光の次は「風力」にも厳しいメスが

今回の件を受けて千葉県知事が「資金計画の報告」を求めているのは、売電収入(FIT)という原資を失った事業者が、開発途中の山を放置して逃げ出す(倒産・夜逃げ)ことを最も恐れているから…

とはいえ、投資回収の見込みが無くなったら中途半端に整地した程度の段階なら普通に撤退しますよね。

風力に対しても(今までなかったのが不思議ですが)廃棄費用積立金の強制徴収が始まるらしいですね? 風力の場合は撤去作業がより専門性が求められる内容のような気がしますので、単価も凄いことになるのか、コスト転嫁OKで話題の洋上風力などもどうなるんでしょうか?

これなら地熱もバイオマスも原子力も更に空き家問題になっている負動産

新築住宅に対しても廃棄費用積立金の強制徴収義務化を

当然すべきだと思うんですが、おかしな話ですね!

所詮は他人事なのです。

まとめ:高利回りの裏にある「認定失効」の影

鴨川メガソーラーの36円案件失効は、再エネ投資における「権利の維持」がどれほど重要で、かつ不安定なものかを教えてくれました。

これから投資を検討される方は、単なる「FIT価格」や「利回り」だけでなく、その物件がなぜ未稼働だったのか、許認可のステータスに瑕疵はないか、という「法的生存性」をこれまで以上にシビアにチェックする必要があります。


出典

  • [毎日新聞] 鴨川メガソーラー計画、FIT認定が失効 高値売電の権利消滅(2026年1月9日)
  • [千葉県公式] AS鴨川ソーラーパワー合同会社のFIT認定の失効について(2026年1月9日)
  • [NHKニュース] 千葉 鴨川 メガソーラー開発計画 国の「FIT」認定が失効(2026年1月9日)

 


今後の方向性についての考察

今回の「遡及的失効」は、経済産業省が「稼働する見込みのない案件を整理し、系統(送電網)の空き容量を確保する」という姿勢をさらに強めた結果です。

今後、特に以下の2点に注目すべきです。

  1. 「紙の権利」の無効化: 開発が進んでいない高単価案件は、今後も容赦なく整理の対象となります。投資判断においては、認定日よりも「現在の工事進捗」が重要視されます。
  2. 地域共生へのシフト: 千葉県知事の対応からも分かる通り、行政はFIT失効を「工事を止めるための武器」として使い始めています。法令遵守(コンプライアンス)が欠けている案件は、どれだけ権利を持っていても事業継続が不可能です。
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