〇技術的観点:
パワコン増=最大出力増
⇒変電所改修リスクまっしぐら
〇ビジネス的観点:
過積載プラントへのパワコン増設
=ピークカット時の電気供給
ピークカット時の電気は、
一番電気が余っている=電気の価値が低い
⇒お腹いっぱいな時に、ご飯を勧められても、、
〇政策的観点:
50kw未満ギリギリからのパワコン増設は高圧(50kw超)となる。
⇒キュービクル設置、電気主任技術者による年次保安点検必須
過積載プラントへのパワコン増設の話を見たことがありますが、
〇技術的観点
〇ビジネス的観点
〇政策的観点
いずれの観点でも、筋の悪い、ナンセンスな施策だと考えています。
〇技術的観点:
パワコン増=最大出力増です。
変電所の空きを逼迫させる行為であるため、
変電所の改修が必要かどうかの連系協議事案となります。
連係協議事案というルールとして記しましたが、
本件、ルール云々ではなく、
変電所に重大な影響を及ぼすリスクのある大問題です。
(あまりにも、軽く考えすぎ)
加えて、変電所改修が必要な場合は、変電所改修も事業者負担となり、
低圧やプチ高圧程度の売電金額など、軽く吹っ飛びます。
系統の空きがひっ迫している昨今、連系再協議の結果が
どうなりそうかは(汗)
あと、些末な話ですが、パワコン50kw超となるため、
高圧申込となり、申込時点で
連係協議の結果によらず、検討料20万円超かかります。
そう考えると、この提案は、技術的に×となります。
〇ビジネス的観点:
過積載プラントにパワコンを増設することで、増える電気は
ピークカット分です。
ピークカット時の電気は、
一番電気が余っている=電気の価値が低い時間帯です。
タダ同然の時間帯の電気の供給に寄与しても、
世の中的にどこまで嬉しいか。。
「5月3日のピークカット分、市場価値殆ど無いけど、
パワコン増設して流しても良いルールに変えて、
FIT価格で買ってくれ」
とは、良心の呵責に耐えかねて、私なら言えませんが(汗)
5月3日の例は極端ですが、
需要が余っている時に、さらに重要を増やす行為は、
お腹いっぱいなヒトに
「腕によりをかけて作りました。さあ、召し上がれ」
とご飯を差し出す行為と同じ。
喜ばれないどころか、ヒトによっては迷惑行為ではないでしょうか。
そう考えると、需要家や消費者に喜ばれないこの提案は、
ビジネス的にも×になります。
〇政策的観点:
50kw未満ギリギリからのパワコン増設は高圧(50kw超)扱いとなります。
高圧は、現行ルールでは、
キュービクルの設置
電気主任技術者による年次保安点検
が必須とされています。
100kwクラス高圧へのプラント改造、
年次保安点検コスト、現実的とは思えません。
そう考えると、政策的観点でも、この提案は×となります。
漠然と思っていたことを言語化してみましたが、
読み返してみると、やはり、
過積載プラントへのパワコン増設という施策は、ナンセンス
というのが私の考えです。
優先順位が高い施策は、やはり、
需要が大きく、かつ、系統が空いている朝夕の供給を増やす
ものになる
のではないでしょうか。
そう考えると、
〇蓄電池は有力な、受給の時差ギャップを埋めるソリューション
(クリアすべき保安ルールの壁が、ありますが)
〇FITより、FIPのほうが遥かに筋が良い施策
(FIPもどうか、、と思うことはありますが、
需要に連動するという観点では、
考え方としては圧倒的にFITよりマシ)
ということになると思います
参考になれば幸いです。
追伸:
「過積載プラントへのパワコン増設」というナンセンスな考えは
需要などお構いなく、とにかく作れば良いという、
歪なFITという制度から産まれた考えだと思います。
皆さんが携わっている売電以外のビジネスで、
お客様の都合を考えないビジネスって、
まずありえないのではないでしょうか。
こうして考えると、FITは、
無くなる運命にあったのだと思います。
kozoさん
コメありがとうございます。
そうですね、、
FIT目線の時代は終わったと思っています。
むしろFIT目線を捨てて、事業目線で考えた方が、むしろ儲かるし、社会にも貢献できるし、やれることてんこ盛りだとも思っています。
島にはちょこちょこ行きますので、宜しければ。
FIT始めた頃は、20年なんてまだまだ先と思っていましたが、来年には、最初の発電所は折り返し地点の10年になります。
そろそろ、いろんなオプション考え始めないといけないですね。
YUKIさんが仕込んでいることはヒント満載です。
参考にさせてもらいます。
FITだけ考えているとお先真っ暗だと思いますが、そうでなければ、いろんなことができそうな感じもします。
投資として考えると厳しいですが、発電、農業、雇用、環境等といったことを組み合わせたら、大儲けはできないでしょうが、普通に面白く生きていけるのかなあ。と思っています。
早く、コロナ終わって情報交換したいですね。