【電気代月3万アップ!?】あの有名な「蓄熱暖房機」が、過積載太陽光の“最強の相棒”に化ける説
みなさん、「蓄熱暖房機(ちくねつだんぼうき)」という存在をご存知でしょうか?
私は先日、初めてその存在を知りました。
中にレンガのような蓄熱材がぎっしり詰まった巨大な箱。夜のうちに電気でレンガをアッツアツに熱し、昼間にその熱を放出して部屋を暖めるという、なんとも気合の入ったパワフルな暖房器具です。
一昔前のオール電化住宅ではちょっとした活躍をしていましたが、電気代が高騰している今、こいつのスペックを改めて計算してみると……顔面蒼白になるような数字が叩き出されました。
1. 現代の電気代で使うと「破産案件」確定
もともとこの機械は、「電化上手」のような深夜電力が激安(昔は7円〜10円程度)だった時代の遺産です。
しかし、燃料調整費の高騰や再エネ賦課金の上昇により、今の深夜電力の実質単価は30円近く(約28.85円など)に跳ね上がっています。
では、標準的な4kwタイプの蓄熱暖房機を、冬場にフル稼働(8時間通電)させるとどうなるか。電卓を叩いて震えました。
・通電時間:8時間/日
・1日の消費量:32kWh
—————————–
・1ヶ月(30日):960kWh
・電気代単価:28.85円(仮)➡ 月額:約 27,696円
暖房器具1台だけで、月3万円弱。
家全体の電気代ではありません。リビングにある箱1つでこれです。「やばい」という言葉しか出ません。普通に使えば、ただの金食い虫、いや、資産焼却炉です。
2. だが待ってほしい。「過積載太陽光」なら話が変わる
しかし、物事は見方を変えると景色が一変します。
もしあなたの家が、屋根にパネルを敷き詰めまくった「過積載太陽光発電所(例:パワコン9.9kW、パネル250%)」だとしたらどうでしょうか?
余剰電力の「捨て場所」がない問題
太陽光発電をガチでやっている家の悩み。それは「昼間の電力が余りすぎて困る」ことです。
春や秋、あるいは冬の晴天時、発電量は余裕で50kWhを超えます。売電単価が安い(あるいは卒FITしてしまった)場合、自家消費に回したいところですが、使い道がありません。
よくある「エコキュートの昼間沸き上げ」?
あんなものは可愛らしいものです。
💧 エコキュートの場合
お湯を沸かすのに使う電力は、せいぜい2〜3kWh程度。
→ 過積載の発電量に対しては「コップ一杯の水」レベル。全然消費しきれない!
🔥 蓄熱暖房機の場合
1台でガブ飲みする電力は、なんと30kWh以上。
→ 余った電気を根こそぎ熱エネルギーとして蓄えられる!
3. 蓄熱暖房機 = 激安の「熱バッテリー」説
こう考えると、蓄熱暖房機の評価が180度変わります。
通常、30kWhもの電気を貯めようと思ったら、テスラの家庭用蓄電池(Powerwall 13.5kWh)が2〜3台必要です。数百万円コースです。
しかし、蓄熱暖房機なら、余剰電力を「熱」という形で30kWh分もストックできます。
- ✅ 昼間(無料の電気):ガンガン電力でレンガを熱する。
- ✅ 夜間(有料の電気):昼に貯めた熱を放出してポカポカ。
これにより、本来なら二束三文で売る(あるいは出力制御で捨てられる)はずだった大量の電気を、「暖房費0円」という価値に変換できるのです。
「エコキュートのような微々たる消費じゃ物足りない!」
「9.9kWのパワコンが唸りを上げるほどの電力を、効率よく消費したい!」
そんなガチな太陽光発電ユーザーにとって、大食らいの蓄熱暖房機は、厄介者どころか「頼もしい相棒」になり得るのではないでしょうか。
まとめ:使う人を選ぶ「諸刃の剣」
普通に深夜電力で契約している人にとっては、蓄熱暖房機は今すぐ撤去すべき「金食い虫」です。
しかし、「過積載250%」「余剰電力を持て余している」という特殊な環境下においては、最新の蓄電池をも凌駕するコストパフォーマンスを発揮するかもしれません。
時代遅れの技術が、最先端の再エネ運用で輝きを取り戻す。
そんなロマンを感じずにはいられませんが、くれぐれも「タイマー設定を昼間に変更する」のをお忘れなく。夜に通電したら、来月の請求書で気絶することになりますから……。
ちなみに蓄電池付けてエアコンでいいのでは?なんて言わないで
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