太陽光発電所で増えるケーブル(銅線)盗難。自治体や企業が「自動航行ドローン+遠隔監視」の実証実験を始めています。ここでは、「ドローンは単なる可動式カメラでは?」という疑問が湧きます。
コストを正当化できるのは「被害が頻発する」「広大で人が巡回しにくい」「既存のカメラでは死角が大きい」といった条件がそろう場合。
安全リスク(墜落・第三者被害)は現実的なので、法令順守・技術的安全策・保険・地域説明が前提です。
1) ドローンでできること・できないこと
できること(固定カメラでは難しい点)
- 広い敷地を短時間で横断して「疑わしい箇所」をピンポイントで撮影できる
- ズームや高低差を使った別視点での確認、赤外線カメラで夜間の人物検知が可能
- 現場でライトや音声で即座に威嚇できる(心理的抑止)
できない(あるいは苦手)なこと
- 犯人を物理的に捕まえたり取り押さえたりはできない
- 天候や電池寿命で継続監視は難しい(常時監視は現実的でない)
- 誤作動や落下リスクはゼロにできない
2) 「じゃあ防犯カメラを増やすだけでよくない?」という疑問への答え
確かに、基本的な視認・録画・音声による威嚇は固定カメラ+スピーカーで実現できます。費用・維持・法的リスクを考えると、まずは固定設備の強化で対応できる現場は多いです。
次のような現場ではドローンを補完的に使う価値があるかもしれません。
- 敷地が非常に広く、固定カメラだけで死角を完全に埋められない
- 夜間や近づきにくい場所で繰り返し被害が発生している
- 現場到着までの人員コストや時間が高く、即時確認が求められる
3) 安全リスク(敷地外飛行・墜落)への対策は必須
ドローンは落ちる可能性があります。敷地外に飛んで行って人を傷つけたり物を壊したりすれば、運航者に民事・場合によっては刑事責任が。
- 法令順守・許認可の確認(国の運用ルールを守る)
- ジオフェンシング(飛行禁止エリア設定)、障害物回避、自動帰還機能などの技術的安全装置
- 第三者賠償をカバーする保険加入
- 運航手順・ログ保存
- 住民説明・周辺配慮(騒音・光害・プライバシー対策)
これらを怠るとリスクが高まり、費用対効果どころではなくなります。
まとめ
未だ実証実験が始まったばかりで現実的な防犯対策とは言えませんが、これが抑止力になり、いつもの防犯情報メールが奇跡の0件になることを願わずにはいられません。
長期で加入した人々もいずれ期限が切れ、ノーガードで盗難と戦わなければならない時代になると思いますが、少しでも解決の糸口が増えますように。
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