太陽光パネルの廃棄に関する話題として、興味深い技術開発の発表がありました。
9月29日付で、産業技術総合研究所(産総研)が『太陽光パネルのカバーガラスから希少元素を抽出するプロセスを開発-2030年代後半に迎える太陽光パネル大量処分における課題にいち早く貢献-』について、成果として公表しています。
発表内容によりますと、 産総研と中部電力は、太陽光パネルのカバーガラスに含まれる希少元素「アンチモン(Sb)」を抽出するための温和なプロセスを開発したとのこと。
(記事引用)
本研究では、ガラスが結晶化する過程でアンチモンが結晶構造内に取り込まれない現象を利用して、ガラスの溶出と結晶化がなされる最低限の温度領域で水熱処理する手法によってアンチモン含有成分の抽出が可能であることを見いだしました。このプロセスを経た後のガラス粉末における蛍光X線(XRF)分析から、約8割のアンチモンが抽出されていることを確認しました。
太陽光パネルのカバーガラスには、透明性を高めるため酸化アンチモンが添加されている場合が多いとされます。
この技術は、水熱処理という手法を用いて、 粉砕した廃ガラスを温水環境下で処理することで、 アンチモンを効率的に抽出するというもの。
処理時間に応じて抽出率が上昇し、 6時間の処理で約86%の抽出率が得られたと報じられています。
2030年代後半には寿命を迎えるパネルが大量に発生し、その処理が課題となることは、以前から繰り返し指摘されてきました。
発表内容によりますと、今回の研究成果は「工業的に十分実現可能な温和な条件下でアンチモンを効率的に抽出できるプロセス」であり、資源循環型社会の構築に貢献することが期待される、とのことです。
当方のような太陽光発電事業者にとりましても、廃棄パネルの処理は「避けて通れない課題」であります。
その中で、こうした研究が着実に進んでいることは、非常に心強いニュースといえそうです。
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