ムラ違いだけど、再生エネルギーとして興味のある風力発電についていろいろ検討して見えてきたことをできるだけ数字をあげて書いてみたい。
紹介サイトに出されている風力発電の案件は、太陽光発電ならばすぐに売れてしまうであろう表面利回り12~13%のものが残っている。それはなぜだろう。
要因①「想定平均風速が盛られている」
NEDOの風況マップを想定発電量の根拠としているが、NEDOの風況は地上30mのもの。小型風力発電の高さは約20mであり、10m低いと風速は1割程度落ちると言われている。
要因②「風車メーカーの想定発電量が盛られている」
販売業者によれば、風車メーカーが公表している平均風速ごとの発電量は理論値であり、実際の発電量は2割程度低くなるとのこと。
要因③「やはりメンテナンス費用がかかる」
風車は機械ものなのでメンテが必須。年間35万円~55万円の定額メンテ費用がかかる。当然実質利回りは下がる。
要因④「やはり故障する」
青森県で大型風力発電(高さ68m)をやっているNPO法人が過去13年の発電実績を公開しているが、6回故障して発電がストップしている。
要因⑤「損害保険料が高い」
高さ20mの建造物に地震保険を掛けないという選択肢はないであろう。小型風力発電の損害保険料は地震保険を含めると年18万円程度。
要因⑥「その年の気候によって風速のブレが大きい」
前述のNPO法人の実績によれば、2006年~2018年までの風速は、5.24m~6.77m、平均6.13mだ。この風車がある場所の平均風速はNEDOによれば6.5m~7m。
<まとめ>
発電量の下ぶれ、多額の経費、故障のリスクをカバーしてなお利回りを確保するためには、本当に風が吹く場所を選定する必要があるが、自分で予想するのは難しい。結局、風力発電はできるだけ低い金利で資金を調達し、レバレッジを効かせて投下資金に対する利回りを確保するというのが投資戦略になると考えるが、本当に良い場所の販売価格は税込4000万円をこえるのでハードルは高い。太陽光をいくつもやっていて資金にも余裕があるという人ならばトライしてみると面白いだろう。
コメントを残す
コメントを投稿するにはログインしてください。